春と盲目
加賀 魅月
本編
踊ろうよ、と少女が言った。笑って手を差し出すと、ぐっと身体を引き寄せられて、彼女の手がじんわりと温かい。その熱が身体中に伝って、ぽかぽかとした心地良さが広がる。柔らかい日差しに包まれて、胸の奥までお日様に当たっているような、そんな気がした。
彼女は自由を体現するように踊った。飛び跳ねるようにあちこちの風をかき混ぜて、木や花たちがさわさわと笑う。だんだんぼくも楽しくなってきて、彼女をぐるぐる回した。目がまわっちゃうよ、と彼女も楽しそうだ。
いつかこの子の姿が見れたらな。彼女の両手が陽だまりみたいに優しかった。
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