短編「無題ノ日々」(完)

不可世

一話完結

ちょっとしたディープな世界

そんな余韻に浸ってる

時間は想像よりも遅くすすむ

そんなメルヘンな夜


ああ、ピッツァが止まらない

バーガーも最高に美味だ


タバコは

相変わらず

フィルターを外した

セブンスコーク一択で

このしびれる感覚が

現実を忘れさせてくれる


たく、こんな時に雨が降ってれば

最高によかったんだが

まぁ月のある夜も捨てたもんじゃないか


安いガラガラのイヤホンをして

シティーポップを聞く

洋楽もいいが

渋さが増すのは邦楽のほうだ

歌声を断片的に聞きあげて


遠い故郷を思う

このアバンタイムが何よりの癒し

いつもは惰性と不服で

仕事づくめだが

今日ぐらいはハイファイに

あんぐらに籠る


ベランダの

ラベンダーと

安いコーヒー豆

どれもお馴染みの味だが

まぁそれが一番落ち着くってもんだ


こんな毎日は上品とは言えないが

それでも俺なりのアンサーで

生きてる


だから諦めもつくし

やりがいだってある


って言っても

愚痴をこぼしてるのが大半で

まーそんなムードも

俺らしいって言ったら

俺らしいのかも


じゃ行くよ

こんな与太話をごめんな


あんたはあんたで

今日も励んでることを切に思ってる


何もない無題の日々は

俺だけにしてくれよ


あんたはやれるよ

じゃ、無駄に付き合わせてごめんな


いい夜を、グッバイ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編「無題ノ日々」(完) 不可世 @BEST-R-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ