手紙

葉山 雫

俺が恋したあの人へ

 この手紙が君へ届く事を信じています。


 今、何をしていますか?元気に過ごせていますか?僕はただ、君が笑顔で幸せに過ごしていれば大丈夫です。だけど、僕の思いもここに書かせてください。

 僕が君を好きになった1番の理由が、笑顔が可愛かったからです。どんなに些細なことでも笑う君が好きでした。君の笑顔は、僕だけじゃない。色んな人に勇気や元気を与えると思っています。だから、君はどこへ行っても必ず愛される。だけどね、そんな君を想像すると嫉妬してしまう自分がいるのも隠せません。君の幸せを願ってるとか言っといて、心から見届けることが出来ないなんて。彼氏失格ですね。

 君と過ごした1年間は、何にも代えられない宝物です。僕は君を好きになり、告白して。恋人となって。カラオケ行ったり、一緒にご飯食べたり、花火とかイルミネーションも見たね。恋人らしいことだって沢山した。時には、小競り合いもあったと思う。だけどどれも全部、君がいたからできた大切な思い出です。本当に好きだったから。君と一緒にいれる事が何より幸せでした。

 メッセージ上でのやりとりも、僕の大切な思い出です。君がよく使う絵文字が好きでした。君が好んだキャラクターのスタンプも。君が僕に、会いたいよと言ってくれた時も。全部、大好きです。

 電話もそう。寝落ち電話は何回したかわからないし、恋バナとか将来の話しは近所迷惑になるくらい盛り上がったよね。君の声を聞くと落ち着くから、何時間やっても飽きなかったな。


 僕はあんまり人付き合いが上手くないから、友達も大していなくて。僕といるのはつまらなかったかもしれない。だけど、そんな僕を見ても、優しいじゃん。それだけで十分だよと君の温もりで包み込んでくれたよね。僕は本当に嬉しかった。今までこんなに優しくしてくれたのは君が初めてだから。

 だけどね、僕も変わらないとなって思いました。君と心から笑い合うために、僕もたくさん友達を作って色んな話をしてあげたいって。僕にとってね、人とのコミュニケーションを上達させる事って、50m走のタイムを秒単位で縮めなさいと言われてるのと一緒なの。大袈裟かもしれないけど、僕にとってそれくらい大きな壁だったんだ。

 でも超えた先にさ、君が待ってると思うと、なんでも出来るような気がしちゃうんだよね。だからなのかな?少しずつだけど、僕ね、皆んなから変わったねって言われるようになったんだ。それがいい意味か、悪い意味かは置いといて。僕も変われるんだなって。そう思えるようになった。


 君と出会えて、

   僕は変わる事ができた

 君と出会えたから、

   僕は学校に行くのが楽しかった

 君と出会えて、

   僕は"好き"という感情を知る事ができた


 君にまた会いたいと言うのは、

         罪なのでしょうか? 


 こんなに重い彼氏だったから、別れたいと思うのは当然だよね。ごめんね。幸せにしてやれなくて。ごめんね。かっこよくなれなくて。ごめんね。君を笑顔にする事ができなくて。もっといい人をちゃんと見つけてください。


 最後に…

 僕を好きになってくれてありがとう。

 これからもずっと笑顔でいてください。

 僕は君を愛しています。

 今までも。これからも。いつまでも。

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手紙 葉山 雫 @hayama_iro

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