作ったら繋がった 魔法が芽生えたら庶民のわたしが恋の妖精に!この魔法は内緒です

明けの明星

短編

 わたしは職人だ。子供の頃からなりたかった機織りの仕事をしている。


 機を織る音が好きで、よく祖母の足元に座って機織りをみていた。母はお針子になったがわたしは祖母の知り合いのところに見習いに入った。


 5歳から12年、無事見習いを卒業し毎日大好きな機を織っている。親方曰く、わたしの織る布は評判がいいらしい。若いのに熟練の職人並みに仕上がりが早い上に、1番褒められるのは肌ざわりが良いということ。


 なぜかはわからないが、綿でも麻でも絹でも人より少しだけ出来がよいのだ。もちろん認めてもらえて嬉しいが、理由は最近までわからなかったし、まわりの誰も特には気にしなかった。


 そんなある夜のこと、わたしはふと夢の中にいるような気がして目が覚めた。おかしな表現なのはわかっている。


 夢の中なのに、目が覚めたなんて!でも、現実離れしていて、そうとしか表現できないことなのだ。部屋のどこかから声がする!


 「どうしたらいいの。誰に相談したらいいの。こんなこと、誰にも言えやしないのに。あぁ、どうすれば、どうすれば…」


 しばらくするとまるで寝ついたかのように静かさが戻る。そんな夜が2、3日続いた。わたしは部屋の中を歩き回り、どこから声が聞こえるのか必死に探した。


 幽霊ではなさそうだし、その頃にはもうあまり怖くは感じなくなっていた。


 声はある端切れの布からきこえてきていた。


 わたしは布を一反仕上げるごとに、こっそり端切れをもらっていた。ほんとにほんとに小さな切れ端で、今までも誰にも咎められたことはない。


 自分の織った布、丹精込めて織り上げた大切な宝物。それらを台帳にとめて作った順に貯めておいたものだ。端の方には覚え書きも拙い文字で書き込まれている。最初は母や祖母に書いてもらっていたが、自分で書けるように勉強して文字を覚えたのだ。


 今では家の誰よりも字が上手くて、近所の人にも代読や代筆を頼まれることもある。


 作った時期や素材の配分、苦労したこと、出来栄えの感想などを書き添えて、次に頼まれる品はもっと良い出来に仕上げたいと思って頑張っている。


 この布はよく覚えている。なんといっても素材が高価な絹の糸だった。成人して見習いも卒業し、さらに腕を磨いて大事な仕事を頼まれ始めた頃、さるお貴族さまに献じる品を任されたのだ。


 といっても、外布ではない。下着用の白絹だ。ドレス用やコート布地などは大きな商会が扱い傘下の職人に任されることが多いと思う。うちの親方や祖母は腕がいいし信用もある。親方の目利きは確かで職人ギルドでも顔がきくそうだから、お貴族さまの仕事も回ってくるのだ。


 いくら外布ではなくても、いやむしろ肌に直接纏うものだけに、ただのひとつの瑕疵も許されない。それほどの大きな仕事だった。


 わたしは、緊張の中にも嬉しくて嬉しくてたまらなかった。そして、それ以上にこの糸が大好きになってしまった。この糸でうまれる布はほんとうに美しかったのだ。


 機を織っている間中、わたしはとても幸せだった。出来上がった布は、祖母や親方の許可を得て納品を許された。親方からの信頼を勝ち取った仕事でもある。


 商会を通じて親方からお褒めの言葉を頂いた。お貴族さまが大変満足されたこと。肌の敏感なお嬢さまのための品物で、とても喜ばれたこと。


 わたしは、もちろん嬉しかったがそれ以上に気付きを与えてもらった布でもあった。それは、着るというだけでなく、労わるということもできるということ。


 それ以降、布を織る時なお一層丁寧に心を込めて織るようになった。それは例えば一本一本の納品されてきた糸の状態に合わせてだったり、作る布の用途に合わせてだったり。力の入れ方、抜き方、密度、角度など機を織る作業自体は同じでも気をつけて仕上げるようになってからさらに滑らかになり、より艶やかな布が織れるようになった気がする。


 そのせいか、治療院からの包帯の注文もよくわたし宛に依頼がくる。何が違うのかはわからないが、きっと役に立てているのだと思う。


 あれからも、お貴族さまの仕事は何度かあった。お嬢さまはお健やかにお過ごしだといいがとその度思う。


 声のきこえてきた布は、お嬢さまのために織った布だった。


 まぁ便宜上声といっているが、わたしには声のように意味と感情のこもった、波動というか感覚に直接伝わってくる何かなのだ。


 じつは確信はなかったが、これは魔法なのではないかと思っている。庶民の中にも後天的に魔法が使える者がたまに現れる。


 お貴族さまはみなさま魔法が使えるのは周知の事実だが、庶民も微力の魔力を持っている者は多く生活魔法が使えるだけでも収入のよい仕事にありつけるらしい。


 ほかにも固有の魔法が使える例として、攻撃や防御、身体強化などを持つ者がよくお城やお貴族さまに仕えたりできる。


 今回のこの不可解な現象も魔力が関係していたとしたら?わたしの織る布に何かの力があるのだとしたら?


 こんなことを考えたのは、以前わたしの織った布のことでおかしな話を思い出したからだ。


 治療院の包帯でまくと傷の治りが早いらしいというのだ。まぁそれだけらしいが。


 今夜あの声がしたらやってみようと思うことがあるのだ。布の端切れに手を当てながら、そっとわたしは声をかけた。


 「どうされたのですか?なにをお悩みですか?なぜ、いつもお困りなのですか?」

 すると少し驚き、でも夢の中のように。


 「あなたはどなた?わたしくの声がきこえますの?」と返事があった。わたしは嬉しくて。


 「はい、このところ毎晩お悩みなのを存じております。ご心配申し上げておりました。わたしでよろしければ、どうぞお話しくださいませ。」


 「ありがとう、どこのどなたか存じませんがとても嬉しいです。じつは、母や侍女にも話たのですがまったく取り合ってもらえず。でもどうしてもわたしの杞憂とも思えなくて、とても辛かったのです。」


 お嬢さまのお悩みは、婚約者の方が心変わりをされたような気がする。というものでした。


 なるほど、気がするのですね。こう聞いてしまうと気のせいでは?となりそうです。でもそれならばお嬢さまだってここまで悩んではいないはず。


 「わたくしも分かっております。きっと気のせい。どんなに近頃、我が家にいらっしゃる回数が減ったとか、お手紙が減ったとか、夜会のお誘いが減ったとか、目が合うことが減ったとか、笑顔が見られなくなったとか。エスコート以外、手が触れることがなくなったとか。きっと学園に通われながら、領地について学ばれたり、訓練がお忙しかったりするのだと。きっとそう…きっと。」


 「でもお嬢さまは、違うと感じていらっしゃるのですね。」


 「はい、わたくしたちはいわゆる幼馴染なのです。子供の頃から互いの家と往き来があり、家族ぐるみの円満なお付き合いがありました。


 あの方も子爵家の次男、わたくし、あの方よりひとつ年上なのです。わたくしの下にふたつ違いの弟がいるせいか、3人で仲良く遊んでいたものです。仲のいいわたくしたちを見て親同士が婚約をきめました。


 世の中には政略結婚も多く、割り切った間柄の婚約者たちも知り合いにおりますのよ。でも、下級貴族で小さくとも領地持ちの我が家は無理して政略結婚する野心は父たちにはないように思っていたのですけれど。違ったのかもしれません。


 あの方の家は法衣貴族。我が家は弟が継ぎますが、母の持参金がわりの男爵家の領地をわたくしが成人したら相続するので、あの方が婿となり男爵として領地を運営してくれることになっていたのです。


 学園ではわたくしも領地経営を専攻しました。男爵婦人として夫を助けようと思っていたので。そのとき勉強したのですが、母の持参金の領地はわたくしが結婚しないと相続できないということ。


 結婚してはじめて領地からの収入の余剰部分の積み立てられていた一部が、一時金として父と母に入るようになっていること。


 そしてつぎの一時金は、わたくしが女児を産んだとき、つぎの相続人が確定したときに支払われるということ。


 我が家もあの方のお家も決して家計が苦しいわけではないのに?


 わたくしが受け継ぐ予定の領地は、十八までに結婚しない場合、相続権が凍結されるようで、わたくしの後見人が父と母から指定された後見人に移るようになっていて、辺境伯ゆかりの領地持ち貴族の伯爵預かりとなるのです。」


 「それはつまり、やっぱり政略結婚だったということでしょうか?」


 「そうなのです。周りのものは皆そのつもりだったのでしょうね。でも世間知らずのわたくしは、あの方のことが本当に好きになってしまったのです。なのに近頃では、胸が冷たくて、あの方のことを考えても笑顔になれません。」


 「お好きなことは良いと思いますよ。このまま政略結婚と思ってご結婚されますか?」


 「いえ、だめ。無理そうです。わたくし、二人で協力しあってやっていくものと思っていたので。わがままなのでしょうか?」


 「お嬢さまは、その方がお好き。ちなみにその方以外のかたは絶対ダメなのですか?」


 「それが、わたくし、特定の方以外触れることができないのです。肌が弱くてダメな方だと、そばに少し長くいるだけでも湿疹が顔から身体中にできてしまって。とても醜いのです。でも子供の頃、まだ仲良く遊んでいた頃からあの方は平気でした。」


 そうなると、親御さんもお嬢さまの幸せに完全に無頓着ではなく、ちゃんと考えてくださっていたのだろう。


 しかし、人の心は移ろうものだ。その方ばかりは責められないが、お嬢さまのことをそもそもどう考えておられるのか。


 お嬢さまにしても、触れるのが怖いから、他の人に触れてもしだめで、全身に湿疹のある姿になるのが辛いから大丈夫なその方に逃げている?とか


 「お嬢さま、もしその方の心変わりが本当の場合、その方の恋を応援できますか?」


 お嬢さまは、はっと息を飲みしばらく考えておられた。


 「お好きな方がいる殿方を縛り付けたくありません。昔楽しく遊んだあの方がまた笑っていられる方がいい。それにどんなにわたくしが醜くても、誇りがあります。バイヤラール子爵令嬢アストレア、情けない有様は自分が許せない。」


 「お嬢さま、確かめてみませんか?その方のお心を。」


 「できるのですか?」


 「思いついたことがあります。2、3日お時間をください。ところで、お嬢さまの湿疹ですが、どういった時、どのようなお相手で、といったことはわかっておられるのでしようか?」


 「わたくしの湿疹?そうですね、思い返してよく考えてみます。」


side アストレア


 やさしい声でした。はじめは驚きましたし、怖い気もしましたが思いやり深い女の子の声だったからか、じきに平気になってしまってずっと話してしまいました。


 相談相手が欲しいというわたくしの願いを妖精さんが叶えてくれたのでしょうか?


 話していて、自分の心が少しわかりました。わたくしは、少しづつ、少しづつ自分をごまかしていたのでしょう。


 ほんとうにあの方を好きだったのでしょうか?好きは好きだったと思います。でも、縋って、しがみついていたのかもしれません。


 だとしたら、あの方もさぞ重苦しかったと思います。


 そうです。妖精さんのいうとおり、まずはほんとうの気持ちを知りたいです。だってわたくしと弟の大切な幼馴染ですもの。


side 庶民のヒロイン


 わたしはハンカチを10枚用意して、一生懸命に祈りました。朝になると父、母、祖母にハンカチを渡しました。


 つぎは、同じ女工仲間ふたり、あと近所で一緒に育った男の子たち5人にハンカチをあげました。


 その夜、10枚のハンカチをベッドに並べて、はじめはうんうん頷いていられたが、あるものを見て真っ赤になってしまった。


 え〜、まさか。

 やだ、信じられない。

 ほんとうに?


 次の日は、ハンカチを渡したうちのある人たちに声をかけて話をしました。


 ふたりは、好きなコがいてどうしたらいいかと相談されました。なんでわかった!としつこいので、誰でもわかると誤魔化しました。


 問題は最後のひとりです。こいつは、魔力が強くて身体強化できるので自警団に入ったのですが、身体が大きくて目つきが悪くて実は苦手でした。


 昔、木に登るとすぐに怒って引っ張り降ろされるし、川に入るのを邪魔されるし、なんで!と思って無意識に避けていたのですが、今回の実験にはいろいろな人のパターンが知りたくて久しぶりに声を掛けたのです。


 向こうも驚いていましたが。こんなことがなければ、あのまま疎遠になっていたかもしれませんね、人生わからないものです。


 「ねぇ聞きたいことがあるんだけど…」


 「なんだよ、いえよ。」


 「あんたさぁ、わたしのこと好きだったりする。」


 すると、真っ赤になって言い返してきました。


 「バッ、バカ何言ってんだ!そんなわけないだろう。」


 「ソウダヨネー。…わたしもそうだと思ってたけども、…でもね、もう一回きくね。ほんとうの気持ちをいってね。」

 真っ赤になってる顔を見上げながら、わたしも顔赤いかもと思いながら、ぐっと我慢してじっとみつめる。


 「なんなんだよ。どうしたんだよ、急に。俺のこと、嫌なんじゃないのかよ。」


 「子供の頃、大きなあんたに怒鳴られたり、引っ張られたりして、そりゃあ苦手だったよ。わたし、今でも小さいから尚更ね。でも嫌っていうのとも違う気がする。もしかして、わたしのこと守ってくれていた?やり方下手くそすぎて伝わるのが遅すぎだよ!」


 「わかったよ、言うよ。好きだよ。ずっと。惚れてるよ。結婚してくれよ。大事にするから。もう引っ張ったりしねぇよ。大きな声も出さないようにするから、俺の嫁になってくれよ。」


 うわぁ、直球すぎる。やばいわ!はずかしい!


 「いいよ、わたしでよければお嫁さんになってあげる。」


 この後、喜んだアイツが騒ぎまくって大変だった。しかもちゃっかり、キスまでしてきて、慣れてない?なんか上手い気がしてモヤモヤしちゃった。


 まぁ、1番知りたいことは分かったから、つぎはお嬢さまの問題を解決できればいいんだけど。


 その晩、お嬢さまにお声をかけた。


 打ち合わせをすませ、こちらはこちらの準備を整える。


side アストレア


 その日、侍女に買い物に行かせた。我が家の専属の商会にいつも肌着をつくる絹でハンカチを作って欲しいと依頼を出しておいたのだ。


 上手いけば、ハンカチから声が聞こえるはず。お嬢さま、と呼びかける声がした。


 今日は、学園の訓練場にいらっしゃるそうなので、あの方に会ってハンカチを渡してきました。ついでに弟にもハンカチを渡しました。


 その夜、わたしは手元の2枚のハンカチを凝視し、やっぱりと思いました。でも朝見たらまったく違っていました。


 妖精さんに相談すると、もう一度ハンカチを渡すことにしました。その時、ハンカチを持っているかも確認してほしいと言われました。


 今度は、先方のお宅にご機嫌伺いという名目で押しかけました。


 「刺繍が上手くできたので持ってきたのです。ハンカチばかりでごめんなさい。受け取って。」


 「いや…。わざわざありがとう。」


 「この前のは、あまり刺繍が上手くできなかったから返して欲しいのだけれど?」


 「そうかな?あれっ、ハンカチなくしたみたいだ、すまない。いつからなかったっけ?あぁそうだ。すまない、アストレア。あのハンカチ、友人にあげてしまったんだよ。」


 「えっ!そうなの。別に構わないわ。でもどうして?」


 聞くと、訓練で友人が怪我をしたので治療に使ったのだそうだ。


 「役に立てて良かったわ。騎士さまは大変ね。」


 しかし、友人は騎士志望ではなく、文官しかも医療機関が本命の方だそうだ。なのになぜ、戦闘訓練を履修されているのだろう。と思っていると、その方が思っておられる令嬢は領地持ち貴族で、領主は時には民を守るため剣をとり人々の先頭に立つこともある。そのためか、父も弟も剣を嗜んでいますし、あの方はもともと騎士志望でした。そのお怪我をされたご友人も健気なことに、剣術もそのような理由から身につけようとなさって努力されているそうです。


 しかし、と続いてそれは建前で、年の割に小柄で貧弱な身体を気にして鍛えているというのが本当のところらしい。


 その彼は、法衣貴族の四男坊ながら秀才で、文官としてお城に勤めることになるだろうとのこと。


 その夜、妖精さんと推測がほぼ正しいと話しあった。


 わたしは、まずは婚約者の本当の気持ちと希望をきくべく我が家に来てもらった。


 「あなたは本当にわたくしと結婚していいの!」と!「あなたの希望は何?」と。


 あの方はガクッと頭を下げて実は、好きな令嬢ができた。同じクラスの男爵家のご令嬢なのだが次女で、しかも兄がいるので家を継ぐ見込みはなく、上位貴族の侍女か家庭教師、女官になろうとしているそうだ。

 

 親からは、わたくしと結婚したのち、お妾として囲えばいいといわれ彼女もそれでいいという。


 「よくないわ。いいわけないでしよ。わたくしと彼女に不誠実です。とくにわたくしに。そんなこと、了承しませんよ。それにあなたもいろいろ考えたはず。それをわたくしに話してちょうだい。」


 「すまない。わたしは貴女に内緒で彼女を囲うなど耐えられない。わたしは幸い魔法が得意で騎士の才も認められている。わたしは騎士、彼女は女官、ふたりでつましく暮らせばいいと思うが、彼女に話してみる。いつか武勲を挙げれば貴族にもなれるかもしれない。きっと彼女もわかってくれる。」


 「いいでしょう。婚約は解消しましょう。でも、そのご令嬢にもきちんとお話しなさい。約束よ。彼女ならきっとわかってくれるはず!なんてだめよ。あと、怪我を手当てしたという貴方のご友人を紹介してくださらない?お願い!」


side 庶民のヒロイン


 お嬢さまは、婚約者の方とちゃんとお話できたそうでよかった。

 若干お相手の実家はごたついているようだが、お嬢さまのお家は問題ないそうだ。相続についてもお嬢さまのお気持ち優先でいいのだそう。ただじきにお嬢さまのあらたな婚約は整うはずなので丸く収まりそうだ。


そう、謎解きの時間です。なんて、謎ではないのですが。


わたしは布に魔力を込められるようなので魔法を掛けた。


 まず、2枚でついとなるように。


 つぎに、渡したハンカチの所持者が、ついのハンカチを所持する者に対して好意がある場合はピンク色、なんとも思っていない場合は変わらず、他の人が好きな場合は、まだら模様になるようにしてみた。


 大急ぎで自分で実験したが、思ったとおりの魔法が無事に発動したようだ。


 そうなのだ。わたしに告白した青年に渡したハンカチはピンク色だった。ただ、家族に渡したハンカチもピンク色で、でも並べてよく見ると家族の方がちょっと色が薄いかも?愛情の強さというより、今回はわたしが魔法を掛けるときにイメージした好意の種類が、恋の好意だったからなのでは!と考えている。


 わたしのこの魔法、ただ人の気持ちに反応するだけではない気がする。もしかすると、もっといろいろなことができるかもしれない。そしてその中には、危ない効果もあるかもしれない。


 わたしがただの職人ではなくてお貴族さまなら、もっと自分の魔法を研究したかもしれないけれど、わたしは機織りが大好きな機織り職人なのだ。


 だからこの魔法は内緒にしておこう。



 



 


 


 





 



 




 

 

  

 


 


 


 

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作ったら繋がった 魔法が芽生えたら庶民のわたしが恋の妖精に!この魔法は内緒です 明けの明星 @celestite721rei

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