第2話 異世界?

 夕焼けのような空で、夕方を連想したが、到着したのが9時半ごろだったので、朝焼けってことはないだろうと先入観で思ってしまっていた。

 時間が早く過ぎることは考えにくいが、それ以上に時間が巻き戻ることはもっとあり得ない。

 しかし、周りのようすを見ると木々に囲まれていた駐車場ではなく、草原が広がっているようすだった。スマホは圏外で電源は入る状態だ。

「いよいよ異世界転移または召喚か」

「鯖田さんが異世界転移に役立つって言ったからじゃないですか、日本に返せとは言いませんが守ってくださいね」

「お、おう、最善を尽くす」

 車はすぐそばにタイヤの高さくらいの草に埋まっている。

「車を中心に水場などを探そう。最悪、3日分くらいの飲料水はある。むりせずに行こう」

 その後俺たちは車を見失わないように徐々に探索範囲を広げて行った。結果的に水場は見つからなかったが、夕焼けの方向に200メートルほどでなんと5メートル以上の幅の道らしきものと轍のような凹みを発見した。

 徐々に暗くなってきたため、車に戻ることにした。車の中でこれまでのことを整理してみた。

「これって異世界転移ですかね」

「うーん、こういうのが昔から言われる神隠しってやつかもしれないな」

「日本に戻れますかね」

「どうだろうな、危険のないようにしながら見つけて行こうか」

「命大事にですもんね」

「まあ今日わかったのは道まで、車で出れそうだってこと位だな。あと馬車のような車輪を持つ移動手段があるってことだ」

「さっき蹄のあとがあるって言ってましたね」

「蹄鉄のあとだろうと思うが絶対じゃないんだ、それに馬じゃなくても昔は牛にも蹄鉄を打ったことがあると本でみたことがある」

「それなりの文明はあるってことですね」

………。

「それでは皆さん御唱和下さい。いち、に、さんステータスだーッ」

「急になんだよ」

「見てください、何か画面のようなものが見えますよ」

「こちらからは見えないんだな。というか本当に見えるんだな」

「嘘ついてどうするんですか本当に決まってるでしょう」

「じゃあこのノートに書き付けて見てくれ」

「鯖田さんも御唱和下さい」

「本当だ、見える」

「ステータスって言わなかったのに」

「心の中でステータスオープンって呟いたんだよ」

「いちいち声に出した私がバカみたいじゃないですか」

「声に出さなくても機能することが分かってよかっただろう」

「じゃあこれかいてみました」

名前:アキタ ケイコ

種族:ヒューマン

職業:サバゲー魔法戦士

年齢:24歳

レベル:0

HP:90/90

MP:100/100

状態:健康、軽度興奮

筋力:70

体力:80

速さ:50

防御:50

精神:100

器用:100

知力:100

幸運:120

人並みを100とした目安

スキル:射撃lv2、鑑定lv1、料理lv2

スキル補正が始まるのがレベル1

称号:異世界迷い人


「ほうー、スキルは上がっても何倍と言えないから特待生何級とか名人何級とかそういう感じだろうな」

「じゃあ俺は」

名前:サバダ ゲイト

種族:ヒューマン

職業:サバゲー・バトルマスター

年齢35歳

レベル0

HP:100/100

MP:100/100

状態:健康、冷静

筋力:120

体力:100

速さ:100

防御:100

精神:110

器用:120

知力:110

幸運:130

スキル:BB弾特性付与lv2、射撃lv3、鑑定lv2、ナイフlv1、サバイバルlv1 、異世界転移lv1

称号:異世界間往来者

「軒並み高いですね。やっぱりレベル0ですね」

「あれっスキルに異世界転移がある、幸運が高いのは身に覚えがある」

「日本に戻れるんじゃないですか」

「ちょっとやってみる。あ、MP 100消費と書いてある、転移はMP 100消費でゼロになったら気絶するらしい。安静にしていると1時間あたり最大MP の10%、睡眠中は20%の回復らしい」

「じゃあ使い果たすと強制的に眠って20%ずつ回復させるってことですね」

「気絶は身体に影響があるかもだからレベル上げしてからでいいか」

「今から何か倒すンですか」

「明るくなってからでいいか」

「分かりましたよ、いいですけど一つ貸しですよ」

 なぜそうなる。

……。

「何も襲って来なかったな」

「おはようございます。私が寝てる間に何かしなかったでしょうね」

「しねぇよ、そこまで餓えてねえ」

「レベル上げいきましようか。ところでMP100だと鯖田さんだけ帰れるってことはないですよね」

「大丈夫、説明をよくみたら車のなかに入っていれば車ごと二人とも転移できる」

「レッツゴー」

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