いと

道草

第1話

 独りで生きる君へ。

 何事にも目を背けて、見ないフリ。

「繋がり」を悉くほどいていく君。

「ひと」を人と思わない君。

 私のこともキライなんですかね。

 それでも構わないので。

 大丈夫ですか、顔色悪くして。

 人嫌いの君も、いつか分かるでしょう。

 ただ知っていてほしい、

 そんな君を好いている人もいるってこと。


 端っこで生きる君へ。

 床ばかり見つめて、何を探すの。

 「自尊心」をないがしろにする君。

 「自分」を人と思わない君。

 それなら私が覚えているから。

 今日は何して遊ぼうか。

「大丈夫?」なんて無責任ですが。

 自分嫌いの君も、いつか気づくでしょう。

 ただ知っていてほしい、

 君の歩むじんせいは独りぼっちじゃないってこと。


 消えたいときも、あるでしょう。

 それでも君は、ふと見つけるでしょう。

 埃をかぶった記憶。

 ずっと隠してきた本音。

 どこかに無くした笑い方。

 溢れ出てきたそれは、君が人である証拠。


 いつの日か、

 私を救ってくれた君を救いたい。

 君は覚えていないでしょうけど、

 君の言葉が、今も私の心の中に生きている。

 だから、

 私も君の心の一部に。


「もう大丈夫みたい」と、

 明日の君は、笑顔でしょう。

 糸が切れないのは、結び目があるからなんだ。

 ただ知っていてほしい、

 人と人の糸は繋がっているってこと。

 交わった糸が誰かを救っているってこと。

 だから、

 結び目を大事にしてほしい。

 それがいつかの君の、支えになるだろうから。

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いと 道草 @michi-bun

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