白山みやげ

 富士山、立山、白山が日本3名山と聞き、残るは白山と、この夏ミーハー爺婆が、白山を目指したのだが・・。人様が4時間の登りを、80爺と75婆は、楢山節考の歩みで12時間かけ室堂到着。翌朝、御前峰山頂の奥宮へ参ってもう一泊の予定は、一寸先も見えない雨で断念(無念!)。数日は雨と聞き、急遽下山、下りの苦手な私は、こけつまろびつ・・と、ころんだ拍子に、右脇腹が岩に食い込み、うっ!そろりそろり息をして見れば、先の丸い三角形の、実にきれいな緑色した岩。あまりの見事さに写メをと思ったが、携帯出している間に再び滑ってもとあきらめた。通常2時間の下りは5倍の10時間、最終バスはとうになく、麓の旅館に車でレスキューしてもらう始末。

 帰った翌日、念のためにと行った整形で、12番めの肋骨がまん中から折れていて、立派な骨粗しょう症の私は全治3ヶ月との診断。幸い骨はずれてないと、胸コルセットをぎゅっぎゅっと巻かれ、人にぶつからないよう物にぶつからないようにと、よくよく念を押された。11番めと12番めの肋骨は、片方が骨にくっついていないため、グラグラ動いて厄介なのだとか。数億年経てば、進化の過程でなくなっていく骨と医者は言うが、まだまだ今は進化の途上。

75歳で初骨折、初体験!白い胸コルセットを巻き巻き、出かける先は医者通いと、よくある年寄り暮らしになった。


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