ケトル人の影

第19話 用水路の秘密

用水路から人の首が流れているという通報を受けたシホたちは、現場に急行した。夕暮れ時、彼らが用水路の下流に到着すると、信じがたい光景が目の前に広がっていた。そこには、無数の人の首がゴミのように堆積しており、異様な空気がその場を支配していた。

シホは衝撃を受けつつも、冷静さを保ちながら状況を把握しようとした。「これは…テレビスタジオで消えた人々の首か？でも、数が合わない。他にも犠牲者がいるのか？」

彼らは、首が流れてきた用水路を辿り、その源を突き止めることに決めた。用水路を遡るにつれ、シホたちはケトル人の痕跡を見つけ始めた。特有の化学物質の残留や、奇妙な足跡が彼らをさらに上流へと誘った。

遡行の末、彼らは用水路が始まる一帯にたどり着いた。そこは古びた工場地帯で、かつては賑わっていたが、今は人の気配がまったくない。その一角に、ケトル人が使用していたと思われる隠れ家を発見した。

隠れ家の中には、ケトル人が人間を捕らえ、その首を切り落とすための装置があり、さらには、犠牲者たちの身元を示すかのような個人の持ち物が残されていた。シホたちはこの場所が、ケトル人による恐ろしい行為の現場であることを悟った。

「ここが、彼らが人々を犠牲にしていた場所か…」シホは深い怒りを感じながらも、この情報を基にケトル人の計画をさらに追及する決意を新たにした。

シホたちは、用水路で発見された首と隠れ家での証拠をもとに、ケトル人の目的と次のターゲットを予測し、彼らの計画を阻止するための行動を開始した。