第17話 焼き尽くされた証拠
夜が深まる中、シホは緊急の呼び出しを受けて、ケトル人対策課のオフィスへ急いだ。そこで彼女を待っていたのは、衝撃的な報告だった。これまで彼女たちが調査してきた倉庫、銭湯、そして観覧車が、立て続けに爆破され、跡形もなく焼き尽くされたのだ。
「なぜ、こんなことが…」シホの声は震えていた。これらの場所はすべて、ケトル人の計画に深く関わっていた重要な場所であり、証拠や手がかりが失われたことは計り知れない損失だった。
警部は深刻な面持ちで言った。「これは、彼らによる隠滅行動の可能性が高い。我々が手に入れた証拠や情報を消し去るために、敢えてこんな手段に出たんだろう。」
シホは冷静を取り戻し、考えを巡らせた。「これは、ケトル人が私たちを恐れている証拠でもある。彼らの計画がまだ完了していないこと、そして、私たちがそれを阻止できる可能性があることを意味している。」
警部はうなずき、即座に行動を開始した。「全ての捜査員に警戒を強化させ、ケトル人の動きをさらに密に監視する。そして、彼らが次に何を企んでいるのか、その手がかりを見つけ出せ。」
シホは、焼け跡となった現場の一つを訪れることにした。そこはかつて観覧車があった場所で、今は灰と破片が残るのみだった。彼女はその中から何か手がかりを見つけられないかと、焼け跡を注意深く調べた。
その時、彼女は半焼けのメモを見つけた。ケトル人の計画に関する重要な手がかりが書かれている可能性があった。シホはそのメモを慎重に保護し、分析のために持ち帰った。
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