ケトル人の影

みっちゃん87

第1話 竹串の囁き

夜の街は静かで、暗い路地には秘密が潜んでいる。月明かりがぼんやりと照らす中、一人の女子高生が路地を歩いていた。その手には、いつものように竹串が握られている。彼女の名はシホ。普段は引きこもりの彼女だが、夜には全く異なる顔を持つ。


アパートの一室で、シホは一枚の仮面を彫っていた。彼女の手は熟練しており、竹串を使って緻密に細工を施す。その仮面は彼女の戦いの相棒であり、自ら作り出した特別なアイテムだ。彼女はその仮面を被り、防弾仕様の特製褞袍を纏う。そして、腰には小さな脇差を差していた。


「また、彼らが現れたらしい」と、アパートの下で待っていた情報屋が言った。シホは無言でうなずき、情報屋から受け取ったファイルを見る。中にはケトル人による最近の被害者の情報が記載されていた。彼女の目は冷たく、しかし確かな決意で光っていた。


この街には、人々を恐怖に陥れる存在が潜んでいる。ケトル人と呼ばれる謎の生物たち。彼らは人間を襲い、鯖に変えてしまう。シホはそのケトル人に立ち向かう唯一の希望だった。


夜の街に静かに足音を響かせながら、シホは情報屋が指摘した場所へと向かった。彼女の心は冷静で、竹串が握られた手は堅い。彼女が持つ特殊な能力で、ケトル人の動きを察知し、街を守るための戦いが再び始まろうとしていた。

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