第4話

「凸待ちしてる間に好みの男の話でもしよう!」


 前世の男子ノリなんだよなぁ...久しぶりにあいつらとも会いたいな...無理だけど。


「やっぱキリッとしてる感じのほうがよくない?」


---コメント---

いやかわいい系だな

かっこいい系が一番だろ

かっこいいが正義

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「でもかっこよくても前の男性みたいな性格はいやだな。やさしくて包容力があって膝枕させてくれるような人が良い」


---コメント---

居ねぇよwwww

顔はおいておいてそんなやさしい男など存在しない

------------------


 俺ら男が美人に対して抱いている感情だな


「大知~?撮影手伝って~!!!」


 涼香姉様からWeTubeの撮影の手伝いを大声で頼まれた。部屋ノックしてきたらいいのに。


「はいー」


 ノパソを閉じてリビングに行く。ここ二年は大学のない日は昼に、ある日は夜に撮影を手伝って家事しながらVtuberのアーカイブを見て寝るというルーティンで過ごしている。


「今日はルームツアーしたいからカメラ回してくれる?」


「わかった。でも今頃になって?」


「最近ルームツアー動画が流行っててね?コメント欄でもチラホラ散見されるようになったからさ」


「へぇ~」


 実写動画とか最近見てなかったから知らなかった。


「じゃあ録画開始して?」


「はい」


 録画開始の音が鳴る。


「はいっ!どうもみなさんこんにちは!天野涼香です!」


 動画撮影時のテンションはコメディー番組に出ているときや家にいるときとあまり変わらない。ただ、ドラマに出ているときとは変わっている場合が多いのでドラマで見てWeTubeに移ってきた人はギャップを感じるだろう。


「まずは机から!」


 俺は机と姉様が写るような位置に移動する。いつも俺がある程度掃除はしているが、金曜日にここまできれいという事はつまり掃除したって言う事だろう。


「基本的に最近教科書を開いて勉強することはなくて、パソコンで勉強したり編集したりすることが多いんだよね~。文学部とか社会学部は教科書開くのかな?情報学部だからかな」


 といってMadBookProを見せる。姉様は家訓に『芸能がなくなっても生きていける術を持っておくべし』というのがあるから勉強してるけど、そもそも大学で真面目に勉強している人は姉様を除いていないんじゃないか?とか思わなかったり。


「机の上の本棚には情報学部関係の本をずらっと置いてるよ。メジャーな言語は一応勉強したからちょっとだけ書けます。いつも使ってるのはCafeだけどね」


 偉いな。ちょっと前は姉様すごいスケジュールびっしりだったのに合間を縫ってしっかり勉強してたんだ。


「引き出しには卒業アルバムとか色々個人情報だから今はあけれないし本棚に移っていくね~」


 嘘である。掃除した時に覗いたら俺の盗撮写真がしっかり束で纏められて収納されていた。


「本棚は移動中に読んでた本を格納してるよ。特におすすめなのはこの『姉と弟』っていう本!ただ姉弟がラブラブしている話じゃなくて苦悩とか葛藤とかが書かれてて―――」


 俺はこの話をBGM無しでこの後5分以上聞かされた。

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