第12話 国家魔術師
「ギャァァァァァッ!!」
魔鳥獣がけたたましく悲鳴を上げる。
誰かが攻撃したのか?
さらに次の瞬間。
ズガァァァァァッ!!
何処から激烈に発射された光線が魔鳥獣の巨体を壮絶に貫通。
「ギャァァァァァァ......」
断末魔の叫びとともに魔鳥獣プテラスキングは黒い
「魔鳥獣が、死んだ......」
衝撃の光景に茫然と立ち尽くしていると......。
「なんとか間にあったなっ!」
突然、俺たちの前に何者かがバッと着地した。
「エトケテラ狙いで来たのに、まさかプテラスキングに出くわすとはな〜」
彼女はゴーグルを外すと、肩に白兎を乗せた俺に視線を投げてきた。
「さっきのとんでもない魔法は誰がやったのかなぁ?」
「あ、ええと......」
しとろもどろになってしまった。
が、すぐに俺の横から村長が乗りだしてくる。
「あ、あなたは国家魔術師ですね!?」
彼女はニヤッと笑った。
「アタシは
「ジェット・リボルバー?......ま、まさか、ジェットレディですか!?あのコランダムクラスの
「ハッハッハ!こんな田舎の島でも知られてんのか!アタシもすっかり有名になっちゃったんだな〜!あ、田舎ってのは別に悪い意味じゃないぞ?」
ジェットと名乗る女性は陽気に
「少年。さっきの魔法はキミがやったんだろ?」
今度はちゃんと答えなきゃ。
と思ったらイナバが俺の頭にぴょんと乗ってきた。
「そうだぞ!ジェット女史!先ほどの魔法はこの八十神少年がやったのじゃ!」
「お、おいイナバ!なんでお前が答えるんだよ!」
「お主がおどおどしとるからじゃ!」
「今からちゃんと答えるところだったんだよ!」
ここで、あれ?と思った。
ジェットと名乗る女性がイナバを見てあっと驚きの表情を浮かべていたから。
「それは使い魔か?召喚獣?いや違う。さっきの魔法......そうか!神使か!」
「は、はい。そうです」
「なるほど!キミは神の道に通づる魔法を行使するんだな!実際に見たことはなかったが文献や伝承で聞いたことはあるぞ!」
ジェットさんは俺の両肩をガシッと
どうやら興味津々で興奮しているみたいだ。
俺は思わず恥ずかしくなって視線を下げると、凝視してしまう。
胸の谷間を。
「いや〜まさかこんな所であんなものを見られるとは!」
相変わらず興奮するジェットさん。
ぶるんぶるん揺れる胸。
......ヤバい。
この人、マジで美人お姉さんだ。
しかもスタイル抜群だし。
谷間の見える胸元にショートパンツにさらされた太もも。
こういうのを、エロカッコイイって言うのかな。
「おい小僧。何を見ておる」
「なっ!なにも見てない!」
イナバの余計な一言で現実に引き戻された俺は、思わずジェットお姉さんの腕をバッと払った。
「あ、あの!貴女がプテラスキングを倒してくれたんですよね!?ありがとうございました!」
誤魔化すように勢いよく頭を下げて感謝を伝えた。
「いいっていいって。アタシは自分の仕事をしただけだ。それにな?少年」
「はい?」
「島の人々を守れたのは少年のおかげだぜ?」
「えっ??」
「少年の魔法がなかったら、プテラスキングの攻撃までにアタシは間に合わなかった。少年のおかげで誰ひとり死なずに済んだんだ」
「そ、それって、ただの時間稼ぎだったってことですよね...」
「
ジェットさんは快活にニカッと笑った。
......なんだろう。
急に胸が熱くなる。
俺の魔法が、役に立ったんだ。
ダメダメだった俺が、人の命を守ったんだ......!
「よ、良かった......」
「ところで少年。名は?」
「お、俺は、
「......ヤソガミくんか。歳は?」
「十五歳です」
「ふーん、オモシロイね〜」
「オイラは神使の白兎、イナバじゃ!歳は...忘れたわ!」
ついでにイナバも自己紹介すると、ジェットお姉さんはアハッと笑ってから、目に何やら
「ちーなーみーに、ヤソガミくんは、
「えっ」
「図星だな。そりゃそーだ。その歳でこの時期に学校にも行かずこんな所にいる時点でな」
ジェットさんは不敵にニヤリとした。
「......よし。ヤソガミくん。リュケイオン魔法学園に来い!」
「へっ??」
りゅけいおん、まほうがくえん??
まほうがくえんって、魔法学園のことだよな??
「いわゆるスカウトってやつだな!まっ、心配すんな!アタシはそこのOGだ!理事長はアタシのよく知っている人だ!このアタシがゴリ推せばなんとかなるさ!」
「えええ!?」
これってまさか......
※イメージ画像
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