八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
目指せ!魔法学園
第1話 高校初日
「いい天気だなぁ」
朝陽がまぶしい。
気温もあたたかい。
高校生活第一歩となる日として、幸先の良いスタートが切れそうだ。
「あっ、せっかくだから
うちは神社なので、こういう時は便利だ。
といっても、
ましてや自分んちの神社なんかなおさらだ。
けど、今日は特別。
「高校生活が、素晴らしいものとなりますように」
ガラにもないお祈りだけど、かなり本気だ。
「ちゃんと友達ができますように」
ず〜っとぼっちだった中学時代。
色のない中学校生活。
......もうあんな日々は繰り返したくない。
あのとき失ってしまった青春を...高校で取り戻したい!
「もしできるなら、カワイイ彼女も......」
なんてあまり望みすぎるのはよくないかな。
「......」
目を閉じて手を合わせてお祈りしていると......突然、まぶたの外からなにか強い光を感じた。
ん?と思いまぶたを開いたと思ったら、
「え??な、なんだこれ??」
自分のまわりを神々しいまでの強烈な白光が覆っていた!
もはや
というか光以外になにも見えない。
「うわぁぁぁーーー!!」
目をつぶって両腕で顔を覆った。
「......!」
何秒経ったかわからない。
たいした時間は経っていないはず。
体感としては一瞬。
「光が......やんだ??」
そ〜っと目をひらき腕をさげる。
「えっ??」
びっくり仰天した。
「こ、ここどこ!?」
なんと、自分の立っている場所が、神社の拝殿ではなく森の中だった。
「ど、どういうことなんだ??」
*
もう何時間歩いた?
てゆーかマジでここはどこなんだ?
ずっと歩いているけど森から抜けられない。
なぜかスマホの電源は入らなくなっちゃったし。
「クソッ!時計してくれば時間ぐらいはわかったのに!」
まったくなんなんだ!
高校生活初日に神隠し?
フザけんな!
なんでこんな目に
「このまま、遭難したらどうなるんだろう」
にわかに強烈な不安が襲ってくる。
いや違う。
不安はずっと不安だったけど、その不安がいよいよ現実味を帯びてきたんだ。
「え、待って。俺...死ぬ??」
足が止まる。
膝がガクガクと震えてくる。
「やばいやばいやばいやばい......」
その場でうずくまって頭を抱える。
イヤだ。イヤだ。
イヤだイヤだイヤだイヤだ!
まだ死にたくない......!
「オイ!そこにいるのは誰だ!」
え?誰かの声?
「答えろ!お前は何者だ!」
人だ!
やった!
助けてもらえる!
「あ、あの!たたた助けてください!!」
立ち上がって力いっぱい叫んだ。
「いいからこちらの質問に答えろ!お前は何者だ!?」
「え?あ、あの、た、助けて...」
「それともおれが見たことないだけで島の者なのか!?名前を名乗れ!!」
名前?
なんで?
あの人......猟銃を持った...猟師?
どうしよう。
いや、相手がなんであれ助けてもらわないとどうしようもない!
「お、俺の名前、ですか??」
「はやく名乗れ!!」
「やそがみ......
「ヤソガミ...だと!?」
「は、はい!?八十神です!?」
「この......無礼者がぁ!!」
「へっ??」
「ヤソガミとは、この島...ヤソジマで信仰される多神教の神々の総称!そのヤソガミを名乗るとはキサマぁ!!」
「え?え?え?」
「怪しい者め!!」
カチャッと猟銃を向けられた。
......え?俺、殺される!?
「ちょっ!待って...」
バーン!!
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