第8話派閥嫌いの国会議員

「サムライブシの草案を読ませて貰ったよ。アレで良いんだ。良く考えてくれている。ありがとうな!」


2,3回頷いた後、臨時国会に発議させてもらうと黒縁メガネのレンズがキラリと光った。

 胡麻すりの出来ない無派閥の先生らしく持論を繰り出していた。


 そおれを真面に聴いた僕は恐縮してソファーの上で正座をしてしまった。


 テレビではラグビーワールドカップのニュージーランド対ナビミア戦で前半43分、オールブラックスのフォワードがナミビアのボールをジャッカルで奪い、3本目のトライを決めたところだった。


 この日のオールブラックスはノックオン、ノットリリースザボール、ハイタックルなど、らしからぬ反則で9点をナミビアに献上していたが、後半のキックオフの刹那、目の覚める様なトライを皮切りに怒濤の如くオールブラックスの本領発揮で、ワールドカップ予選で4連勝をした。

「全く!」

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