17.先輩、脈ありました?

「一緒に車に乗っていて気まずくならない人が好い」

 これは先輩の好きポイントの一つ。

「二人っきりになっても気まずくはなかったなあ」

 先週の観光の結果を先輩は語る。

 初めて猫カフェに行ったこととか、文化的な博物館が好きで学びにつながっただとか。そんなありきたりな好機を言っていた。

 良かった、楽しそうで。

 それを聞いていた私は、そういうふうに思うことにした。

「やっぱりあるじゃないですか」

 先輩が「そう?」と楽し気に返事した。

 そうだと思うことにしていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る