第11話 小説にAIを使う理由について考える。

 とうとうこの話題について触れる時が来るとは……。


 皆様、すでに御周知かと思われますが、星新一賞にて、執筆のほぼ全てをAIにて書いた作品が最終選考に選出されました。


 これがどういうことか分からない人は、この界隈にいないでしょう。


 私はAI小説についてど素人もいいとこですので、間違った認識を書いていたら、ビシバシご指摘ください!


 素人である私の認識では……これまでAI小説の存在はあっても、どうしても人の手を入れなければ作品として成り立たない、というような立ち位置だったかと思います。


 ちょっとした作品のアイデアをAIからもらったり、正しい文章の書き方、校正として使うような……Wordの機能にもありますよね。


 かの有名な大御所、芥川賞ですらAIを一部活用した作品が受賞されておりますが、それでも一部。


 あくまで執筆の主体は人間である、というイメージでした。


 ところが今回の話題では、どうやら作品のほぼ全てをAIが執筆したとのこと。


『アルゴリズムの檻』(作者:青野圭司さん)


 この作者さんは、ご自身で『AI小説家』という肩書を名乗っていらっしゃるくらいですので、常日頃からAIで小説を執筆されていらっしゃる方なのでしょう。


 私は、先にも述べたとおり、AI小説については全く使ったことすらないど素人ですので、どうやって使うのか、詳しい仕組みまではわかりません。


 ですので、単純にこのニュースを見た時に思ったのは、AIが生成した作品って、それ作者AIになるんじゃないの?という素朴な疑問でした。


 どれだけ人間の手でAIを操作しているのか分かりませんので、この認識は間違っているかもしれません。先に謝っておきます。


 私もイラストに関していえば、AIイラストを使っています。


 これには、幾つかのキーワードや指示(アングルや絵柄など)をAIに与えて、イラストを描いてもらいます。


 だからおそらくAI小説も、人間の手で何かしらキーワードや指示をして作品を作っている……のだと思います。たぶん。


 それでもやっぱり、AI小説という言葉がまだそこまで世間一般に浸透していない現代で「AIを使って小説を書きました」と言って賞をとったとして「ずるい!」と思う人が大半なんじゃないかなと。


 AI小説がいいか、悪いか、という判断はしません。


 そんな議論をしたところで無意味だからです。


 使う人は使うだろうし、今後もAI小説家って増えるんじゃないかなと思います。


 時代の流れを止めることは誰にもできません。


 そもそも、AIを使って小説を書く理由って何なんでしょうか?


 文章を自分で書くのが面倒だから?


 いいアイデアが浮かばないから?


 公募で賞を獲りたいから?


 ただの趣味?


 長年、自分の頭と手で小説を書いて公募を目指してきた身としては、正直なところAIを使って小説を書きたいとは全く思いません。


 AI小説を否定しているわけではないですよ。


 あくまで私は、使わずに書きたい、というだけです。


 AI小説で賞を獲っても、それはAIの成果であって、自分がすごい!とはならないじゃないですか。


 むしろAIに負けた!悔しい!と私は思います。


 イラストを描かれる方は、よくAIイラストを嫌っていらっしゃる方が多いですよね。


 それは何故かというと、やっぱり自分で描いている絵にプライドがあるからだと思います。


 私は残念ながら絵心がないので、AIイラストを使うことに全く抵抗がありません。


 なぜなら、絵を描く行為にプライドを持っていないからです。


 これはAIで描きました~(´∀`*)えへへ♡


 ……で、自分の手柄だとは露ほどにも思っておりません。私がすごいんじゃないんです。AI


 AI小説にも同じようなことが言えるんじゃないかな~と思います。


 AI小説でプロ顔負けの面白い作品を書いてやったぜ!


 審査員の目を騙して(?)やったぜ!


 ……的な? 私の勝手な推測ですけども💦


 何が言いたいかというと……AIで書いた小説で賞を獲って、嬉しいのかな?と私は思うわけですね。


 それってAIがすごいのであって、自分自身の手で苦労して書き上げて賞をもらった時とは達成感や喜び、自己肯定感が半減するんじゃないかな~と思ったわけです。


 ただでさえ、AIで書いたと言えば、外聞もありますよね。必ずどこにもアンチはいるわけです。


 そこまでしてAIで賞を獲りにいこうとする理由が私には理解できない。

 (*˘ーωー˘*)うーん。


 別に、AIを否定するつもりも、AI小説家を貶すわけでもありません。


 AI小説がプロの書く小説よりも面白い? そりゃそうでしょ(´∀`*)


 だって、プロの小説から学んでるんだもん。人間の出来ない暗算をコンピュータが1秒もかからず計算するのと同じでしょう。


 面白い作品をAI小説で書く。別にいいと思います。


 ただ、そこに世間からの評価を受けることに対する意義というか、作者自身の評価としてはどう受け止めているんだろう、という部分がすごく気になりますね。嬉しいのかな?


 そもそも自分が認められて嬉しいとか嬉しくないとか、そういう理由で小説を書いていないというだけのことなのか?(゜-゜)


 おそらく、そう遠くない未来に、AIが執筆した小説が書籍化されて本屋に並ぶ日がくるでしょう。AI小説、面白い!って。


 でも、その時、作者の存在意義って何なんだろう?と。血の通った人間である作者って必要なのかな?


 読者からしてみれば、面白い小説が読めるのであれば、人力だろうがAIだろうが関係ないと思うんですよね。でもAI作品に、この作者だからこそ面白い、読みたい、と思うようなオリジナリティって、あるんでしょうか?


 AIイラストに関して言えば、全く別の作者が同じ命令コマンドを入れれば、ある程度同じようなイラストが出来上がりますよね。そこにオリジナリティを求めるとすれば、その命令コマンドをどう入れるか、ってところでしょうか。小説も同じかな。


 星新一賞では、確かAI作品も受け付けているんですよね。


 公募によって、対応は違うと思います。


 単純に作品の完成度だけで言えば、AI小説をも対象に含めた方が出版社としては徳というか嬉しいですよね。本が売れれば勝ちの世界ですから。


 ただやっぱり、小説を一から自分で考えて書くことが好きな私としては、やっぱり自分で書きたいなぁと思うのです。自分で考えて書いたものを面白いと言ってもらえれば、それだけですごく嬉しい。自分自身を認めてもらえた気がします。


 もしも、AIで書いた小説で賞をもらえたとしても、私は嬉しくない。だってそれはAIが認められたのであって、私じゃないから。


 そこにはやっぱり、アマチュアながらのなけなしのプライドというものがあるのでしょう。


 まぁ、AI小説家にはAI小説家のプライドがあるのかもしれませんが、私には分かりません💦


 くどいようですけど、AI小説がいいとか悪いとかという問題ではないのです、これは。


 むしろ、AIが書いた小説なのか、そうでないのかの判断すら出来なくなり、そのうちAIの手柄を人間が横取りしちゃう未来が来る方が恐い。


 AIを使うのか、使わないのか。使っていることを隠すのか、公言するのか。


 そういう意味では、AI小説家です、って堂々と公表している方って、勇気がありますよね。それもプライドなのかもしれません。


 支離滅裂になってきたので、ここらで〆ます。


 あなたは、AI小説を使いますか? 使いませんか?


 私はAI小説を使いませんが、その理由は、AI小説を否定したり貶したりしているわけではなく、ただ単に自分で物語を綴ることが好きというです。


 いつか「風雅ありすの書いた小説なら読みたい!」と思ってもらえるような作品を書くことが、私の物書きとしての目標なのです。

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