漫才ネタ
鷓鷺
第1回「漫才を始める」
A「最近新しく始めようと思ってることがあるんだ」
B「何を始めるの?」
A「漫才をやろうと思ってるんだ」
B「漫才ってマイクの前でスーツ二人組が話すやつ?」
A「そうそう。それでなるべく面白いことを言ってその場にいるお客さんたちを笑かすっていうやつなんだけどな」
B「相方がいるんじゃないのか?」
A「お前なんかどうかなと思ってさ」
B「偉い急だな!」
A「徐々に入って行くパターンが逆に知りたいけどな。それでな、始めようにもまずはお前の了承がいると思って」
B「了承も何も、まずはどんなネタをしようとしてるのか知りたいわ。急に暴れ出す系のコント漫才を始められてもついていけないし、なんなら人前ですべりたくないしな」
A「大丈夫。暴れる系のネタはしないし、絶対に人前ですべらない」
B「良くこの状況で言い切れるな」
A「この状況とは?」
B「いや、なんでもない」
A「俺がやりたいのは正統派漫才だよ」
B「お前が思う正統派漫才ってなんだよ」
A「気になる話題をひとつポンと置いて、そこに対して斬新な切り口を与えて続けては相方がツッコむっていうやつだ」
B「それじゃあツッコミの腕にかかってるな。最悪、振る側が棒読みになってもツッコミがキレキレなら漫才として成立するしな」
A「ボケも大事だよ。ダウンタウンなんか両方の腕があって成立してたコンビだからね」
B「出しづらい名前を出すなよ。しかも成立してたって過去形にすると余計にやりづらいわ。でもまぁ確かにあのコンビの漫才は最近でこそ見なくなったものの正統派でありつつもボケツッコミ両方の腕があったからこそ日本一になってたところがあるもんな」
A「ああいうコンビを目指したいか・・・どうか・・・はともかくとして絶妙な掛け合いをしてみたい」
B「お前はどっちがやりたいの?」
A「ネタ作り係かな」
B「は?舞台に立って喋るんじゃないの?」
A「嫌だよ、人前に立つのなんて。ただ面白いネタだけは作りたいから、俺がネタを書いて、お前がそれをやるのが理想だと思ってる」
B「それは漫才じゃなくて漫談なんじゃないのか?」
A「大丈夫、相方はちゃんと準備してある」
B「誰だ?
A「同姓同名の松本ひとしさんだ。ひとしの字はひらがなだから安心してくれ」
A「もうええわ」
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