栞を挟みこむ

うみべひろた

栞を挟みこむ

 図書委員の仕事なんて、別に楽しいものじゃない。


 放課後になったら適当にカウンターに座ってだべって、図書室に置いてあるマンガを読み放題してればいいんじゃん、簡単だし楽しそう。そんなふうに思ってた。

 でも実際にやってみて分かった。図書室にはマンガなんてほとんど置いてないし、あっても、なんだか全部、古いしお上品。

 なんでブラックジャックが許されてワンピースが許されないの、もう全然意味わかんない。

 だから火曜日の放課後は家から持ってきたマンガを読む日だ。あとは島田くんのマンガを持ってきてもらう日。


「今日は何だろ、まー島田くんの好みなら外れないと思うけどさ」

 表紙に気を取られていると、渡してくる島田くんの手が私の指先にぶつかる。

 なんとなく反射的に手を引っ込めてしまう。日焼けした手の、見た目どおりに高い体温。


 なんだか暑苦しい奴。


 だけど島田くんの持ってるマンガは私のと全然違うから面白い。

 例えば幽遊白書、そしてハンターハンター。

 あれを読んでしまったら、確かに冨樫仕事しろって言いたくなる。今までネタだとしか思ってなかったけど。

 そしてハンターハンターの続巻を島田くんに要求し、それがもう長い間出てないことにショックを受ける。

 だからその仕返しに、私は島田君にCLAMPの「X」を読ませた。


 続きは? と聞いてくる島田くんに私は答えた。


 もう20年は出てないよ。


 あからさまに落胆した島田くんを見て私は笑う。悔しかったらまずは冨樫に仕事させなさいよ。少なくともCLAMPは仕事してる。

 仕事なんてしなくてもいいから続き書いてくれよ。打ちひしがれるかわいそうな島田くん。

 私はそれを見て爆笑する。


 いや、島田くんの気持ちは分かるんだ。

 私だって続きが読みたい。

 よくよく考えてみたら、私もお姉ちゃんに同じことやられたんじゃないか。なぜか突然、私に『これ読みなよ、面白いから』って渡してきた。

 だからこれはある意味でペイフォワード。趣味がだいたい一緒である私たちの信頼の証ってこと。


 図書委員の仕事はそんな感じで進んでいく。

 委員の相方が気のいい奴で良かった。放課後の貴重な時間を奪われるストレスもそれで幾分和らいでくれる。




 図書室を閉めたら、帰る前にはいくつかの雑用が残っている。

 机やいすを並べなおして、窓とカーテンを全部閉めて、返ってきた本を棚へ戻す。

 けど図書室を使う人なんてほとんどいないから、そんなの五分くらいで終わる。

 今日だって返却ポストの中には本が二冊しか無い。金枝篇という本の一巻と二巻だ。誰が置いていったかは知らないけど、多分同じ人が借りたのだろう。


「ねー島田くん、分類番号3ってどこよ。見たことないんだけど」

 私は向こう側で机といすを並べ直している島田くんに聞く。

 静まり返った図書室は声が冗談みたいに大きく響くから、あまり大声は出さない。


「俺も見たことない。またえらくマニアックなの借りる人もいるんだね」


 図書館で借りられる本なんて、大抵は分類番号9の小説。

 じゃなかったら、カウンター前にずらっと置いてある手塚治虫の漫画。

 そのどちらかなんだ。


 だから分類番号9以外の棚には近づきさえしない。

 そもそも他のエリアは節電で蛍光灯が間引きされていて暗い。見せる気ないよね。


 分類番号3の本は、なんか表紙まで怪しい。

 何なのこれ。


 ぱらりと。

 裏返して見ようとしたとき、本の中から何かが落ちた。


 拾い上げてみるとそれは栞だ。多分。

 青い和紙に黄色と白の押し花。なんかえらく古風な趣味だな。ぴっちりしたラミネート加工には気泡も入っていない。

 きっと持ち主は本に挟んだまま忘れてしまったのだろう。

 明らかにこれは手作りだ。作るのには時間がかかったと思う。いくらマンガ以外の本に興味が無い私でも、これを捨ててしまうのはあまりにも申し訳ない。


「どうしたの、なんか見つけた?」

 島田くんはカーテンを閉め終わると、棚の陰に立ったままの私のほうへ。


「うん、忘れ物」

 目線の高さにその栞を掲げてみる。「なんか手作りっぽい謎の栞」


 ちらりとそれを見て、

「あぁ、それ、多分シオリちゃんのだよ」島田くんはこともなげに言う。


 シオリちゃん?


「誰それ」


「俺と同じクラスのシオリちゃんだよ。いつも本を読んでるんだ」

「なんか出来過ぎた名前」

「名は体を表すんだよ。使い方合ってるか知らないけど。っていうか、多分本名じゃなくてあだ名。そのシオリちゃんが昔プレゼントってくれたんだよ。手作りの栞がすごくきれいで、それにそっくりだから。多分シオリちゃんのであってる」


「ふーん、そうなの」

 意外にモテるのねあなた。


 よく出来た栞だけれど、私はどうせ使わない。

 だって読むのはマンガばっかりだし。

 休む間もなく、面白くて流されるようにどんどん読んでいって。気付いたら一冊全部読み終わっているのだ。

 だから必要だなんて思ったこともない。


 暗い図書室の中、分類番号3の棚の陰。栞をはさんで見つめてる島田くんと私。

 なんだか変な感じ。って思っている間にチャイムが鳴る。


「うわ、やべ、早く行かないとバイトに遅れる」島田くんは慌ててカバンを掴む。「ごめん稲垣、それシオリちゃんに返しといて」


「え、いやちょっと、私その子のこと知らないんだけど」

「稲垣も見たことある人だよ、よくその辺の席に座って本を読んでるポニーテールで黒い髪の子」

「うげ、あの人か。っていうかさっきも居たし」

「分かった? だったら俺行くわ」

「あぁ、うん。分かった、早く行きな」


 そして手を振る島田くんを見送る。それは太陽みたいな笑顔だ。

 なんて言うと変な意味に取る人もいそうだけど、そうじゃない。


 温度が高いんだ。

 サーフィンをやっていて、しかも放課後にはサーフショップでバイトをしている島田くん。

 きっと夏の間じゅう海で本物の太陽を浴び続けていたのだろう。

 貯めこんだその温度を無差別に放射しているみたいに見える。


 そりゃ確かに人に好かれるわ。


 別に私は、暑苦しい奴、としか思わないけどさ。


 握りしめた栞のラミネート加工が手に刺さる。

 痛いなこれ。きれいに見えるけど端の処理が甘いんじゃないの?

 めんどくさいから早く持ち主に返さなくてはならない。


 シオリちゃん。


 放課後によく本を読みに来る人だ。

 いつもカウンターと対角側、いちばん遠い席に座っている。

 自分の本を持ってきて勝手に読んでる。何も仕事しなくていいから楽なんだけど。

 私と島田くんがカウンターの中で話し始めると、じっと怖い目で見てくるんだ。

 そんなに睨まなくてもいいじゃない、だから私たちはこそこそと会話をしないといけない。

 島田くんの声はいつも大きいから、そのうちその子が怒りはじめるんじゃないかとヒヤヒヤしてた。


 でも今になって、この硬くて痛い栞を握り締めながら思い返してみると。

 私と彼女は、一度も目が合ったことがない。

 視線は横の島田くんのほうに注がれていた。

 そしてその目はなんだか、いまにも溢れだしそうな何かをいっぱいにたたえていた。そんな気がする。


 何なんだよ。

 そういうめんどくさいことは私の見えないところでやって。

 分かったから私を巻き込まないで。


 カーテンの隙間から見下ろすと、向こう側に砂浜が見える。島田くんがバイトしてるサーフショップはすぐ近くにある。

 ふと思いついて窓を開けてみるけど、ここからでは校舎の陰に隠れてしまって見えない。

 ただ西日だけが射しこんできて腹が立つくらいに眩しい。

 波の音が遠くに聞こえる。




 島田くんのクラスは階段を降りたらすぐ。

 私のクラスよりも随分手前にあって、近くていいなといつも思いながら時々覗き込む。

 朝と帰り、昼休み、体育の授業に行くとき。

 島田くんはだいたいいつも、教室の後ろのほうで誰かと笑いあっている。

 その中にシオリちゃんを見たことはない。


 この教室、いつも見てるけど実際に入ったのは初めて。

 知り合いと呼べる人なんて島田くんくらいしかいないから。


 西日は強さをどんどん増している。なんでこんな向きに窓を作るんだ。手をかざさないとまともに目だって開けていられない。


 そんな世界の中にシオリちゃんはいた。窓際の机で本を読んでいる。

 図書室で本を読んで、その後で教室でも本を読んで。


 いったい、どれだけ好きなんだ。


 それは絵のように静かで、近づく私まで足音を忍ばせてしまう。

 そして気付く。シオリちゃんは本なんて読んでない。

 両手で文庫本を弄びながら、西日の向こう側をじっと見下ろしている。


 まるで海の中みたいだ。耳の中がきーんとなるような圧力で満ちている。

 シオリちゃんのあの目を思い出す。今にも溢れだしそうな何かでいっぱいの目。

 どうしてそんな目ができるのか。それが私には信じられない。


 すっと息を吸う。

 それだけのことで、水でいっぱいのコップに指を突っ込んだみたい。

 部屋からぽろぽろと何かがこぼれていくように感じた。


「本を読むならばカーテンくらい閉めればいいじゃない、こんなに眩しいんだから」


 投げつけた言葉に、その肩が跳ねる。

 こちらを振り向く。ポニーテールは遅れて揺れる。

 全く予想外の侵入者に驚いて、口をぱくぱくさせている。


「ごめんね突然。図書室の本の中に忘れ物があったから、シオリちゃん、もしあなたのだったら返そうと思って来たんだけど」


 一気にまくし立てて、机の上に硬い栞を差し出す。

 持ってるだけで痛いから。さっさと返したかった。

 栞は窓の外の夕陽を一瞬強烈に反射する。とても眩しくて思わず目を逸らした。


 シオリちゃんは私の手の中を覗きこんだ。あっち向いてホイに釣られてるみたい。


「これ、私のです。良かった、無くしたと思った」

 かすれ声で、オーバーなほどに頭をぺこぺこと下げてくる。


「感謝なら島田くんに言いなよ。それがシオリちゃんのだって気付いたのは奴のほうだから」

 島田くんの名前を出した途端、この人は西日越しにさえ分かるくらいに顔を赤くして目を逸らす。そして嬉しそうに笑う。「覚えててくれたんだ、嬉しい」と。


 そうですか。


「ありがとうございます。すごく嬉しい。あと、私の名前、シオリじゃないです」

「え、違うの?」いや、別にどうでもいいんだけど。

「私の名前はナナコですよ。キムラナナコ。シオリっていうのは、周りの人たちがこれを見て私に付けたあだ名です」


 ナナコさんは何故か机の上の文庫本を私に差し出す。

 その文庫本にはまるで栞のように、色とりどりの付箋が挟み込まれていた。50個くらいはあって、本が不自然に膨らんでいる。


「うわ、何これ。なんかすごく読みづらくない?」

 思わず言った私に、ナナコさんは笑って答える。「はい、すごく読み辛いです」


「しかも、こんなにあったらどこから読めばいいのか分かんなくなるよこれ」

「別にこの付箋はどこまで読んだかの目印じゃなくて、好きな言葉だったり、後になって読み返したい部分だったり、忘れてはいけないフレーズだったり、そういうのがここにあるっていう目印なんです」


「私は栞なんて使ったことないよ。もちろんそんな付箋も。本当に好きな言葉だったら忘れないじゃない」


 ふと思い立った私は窓から浜辺を見下ろす。

 探すまでもなくそこには島田くんが居る。なんて目立つ奴。

 サーフショップの脇でボードを磨いて、近くに寄ってきた犬の頭をくしゃくしゃと撫でている。

 そうか。いつもあんなふうに仕事してるんだな。

 図書室からも私の教室からも見えない姿が、ここからはよく見える。


「ねぇナナコさん、あなたの読んでるその本って何なの?」

「これ? これはダイアナ・ウィン・ジョーンズの九年目の魔法っていう小説」


「ふーん、聞いたことないけどなんかすごく普通」

 野球部のユニフォームを着た一団が通って、島田くんは笑って大きく手を振る。

 一言、二言と交わす言葉の中身は分からないけれど、ここまで声が響く。


「なんか、ナナコさんって分類番号3のマニアックな本を読む人っていう勝手なイメージが付いちゃってるんだよね。私と、島田くんの、間にはさ」

 無意識に最後を強調してるのを自覚する。

「分類番号3?」


 やっぱり知らないのか。分類番号3の中身を。

 なんだか教えたくない。

 蛍光灯が間引かれた暗い棚。栞ごしに見えた島田くんの顔。


 だけど首を傾げたナナコさんに言う。「金枝篇とかいう凄そうな本」


「あぁ、金枝篇。別にあれが読みたかったわけじゃなくて」ナナコさんは大きく膨れ上がった文庫本を指差す。「この本を読むために必要だったんだ」


「そうなんだ」相槌を打ちながら、私はナナコさんの話なんて聞いていなかった。

 それよりも、遥か遠くでボードと向き合う島田くんの姿を見ていた。

 愛おしそうに見つめて、両手で撫でる。

 なんだよ、図書室ではあんな顔したことなかったじゃないか。


 毎週毎週、火曜日にはほとんど肩が触れあいそうな図書室のカウンターの中。

 笑いながら本を読んで、それでも見たことのない顔。

 それをこの子は遠くからこそこそと盗み見ている。


 それってさ、ずるくない?


 私の視線の先に気付いたのか、ナナコさんは確かめるように窓の外を見る。

 そして私の目の中を探るように見る。


「島田くんと仲、良いんだね」


 うん、そうなの、仲いいよ。本を毎週貸し借りしてて、何が好きなのか全部知ってる。私と同じ趣味してて、話が合うから楽しいよ。

 そんなふうに言いたかった。

 だけど言えないのはなんで。

 窓の向こう側に見えている島田くんの笑顔。


 私はこの子が気に入らない。今はっきりとわかった。

 だから決定的な何かを武器にして、心臓をざっくりと一思いに刺し貫いてしまいたい。もう何も私に言えないように。

 けれどすぐ分かるそんな嘘は、きっと逆に私を切りつける。


「そんなことないよ。ただ、一緒にやってる図書委員がすごく暇だから、毎週二人でマンガ読んで、貸したり借りたりして、バカみたいに笑ってる、それだけの関係」


「そう、なら良かった」

 意外に強い微笑みは針のよう。

 なら良かったって何。それならあなたは何を持ってるんだ。


 なんだか指先がひりひりして、よく見ると血がにじんでいる。

 この子の栞のかどが尖ってて手を切ったのか。


 ナナコさんは、私が返した黄色と白の花の栞を大事そうに眺める。

「昔、島田くんに小説を貸したことがあったんだ。島田くんが好きな作家さんの本を私がいっぱい持ってるって、人づてに聞いたみたい。1冊目を貸したときにこれを挟んでて、返してくれたときまず言ってくれたのがこの栞のことだった。きれいだねって褒めてくれた。だからひとつ作って渡したんだけど、今でも持ってるのかな」


「どうだろうね」

 私には、どんなふうに答えればいいのか分からない。

 島田くんが小説を読む人だなんて話、そもそも聞いたことがなかったから。


「そういうときに私は思うの。セーブするみたいに、この場面に栞を挟めたらって。こんな感じの、いちごの花で作った栞。あの時喜んでくれた島田くんの顔だとか、本を手渡した時の指の暖かさとか、そういう多くの場面をいつだって取り出せるように」


 漫画を手渡してくれた島田くんの、手の暖かさを思う。

 だから私はナナコさんに言う。なんでだか息が苦しい。


「面白い場面があったら、栞なんて探して挟む時間だって惜しいよ。読めるうちにどんどん読み進めていきたいんだ。きっと前へ前へ進んでいけば、そんな場面はもっといっぱい用意されてるんだから」


 二人の間にある栞はいちごの花だった。


 私は唐突にひとつの場面を思い出した。

 あれは中学校くらいの時。


 妹の誕生日には毎年お母さんがショートケーキを買ってくる。いちごは妹の好物だから。

 けれど私はいちごショートが苦手だ。上に載せられたいちごをどのタイミングで食べれば良いのか分からないから。

 先に食べるには大きすぎるし、後に食べるには酸っぱすぎる。

 何となく避けていた私のいちごを、横から伸びてきた妹のフォークが突き刺して奪っていった。

 あまりにも唐突すぎる出来事に、私はその成り行きをじっと見つめるしかできなかった。


『残しているから嫌いなんだと思った』というありがちな言い訳だった。


 いちごなんて。食べれても食べれなくてもどっちでもいい。

 私はそう信じてる。


 いちごなんて。


 ただ、あの時に残されたクリームだけのケーキは真っ白で。

 あの赤い色があるからケーキは美しいし楽しいんだって思ったんだ。


「私が金枝篇で調べたかったのは王殺しの話だったんだ。『九年目の魔法』で出てくる話。ねえ図書委員さん、知ってる? 王はずっと王のままじゃいられないんだよ」

 ナナコさんの声が、ぼーっと考え込んでいる私を現実に引き戻す。


 開け放たれた窓から入ってくる風はいつの間にか冷たい。冷たくなった腕を抱えるようにして暖める。

「そんなの当たり前でしょ、人間、放っておいたら絶対にいつかは死ぬんだから」


「違うよ」ナナコさんは笑った。


「じゃあ何なの。私も、あなたも、いずれ――」

いずれ何なんだろう。死ぬから? 卒業するから? それとも。


「王の力が弱まったとき、別の誰かが王にふさわしいって認められたとき。先代の王はね、」

 ナナコさんの目が、私の心の奥を射抜くような感覚。「――次の王に殺されるんだよ。王は死なない。ただ殺されるだけ。金色の枝で一突きに」


 今ではもう、ナナコさんの視線は探るようなものではなくなっている。

 夕焼けは密やかに夜へ向かい始める。


 切れた指先が熱を持っている。

 栞なんて使わないからいらないのに。私はそう思う。

 きれいな記憶があったとして、それを取り出して何度も見るなんて。なんだか暗い話。


 栞が無ければ、指が切れて血を流すことなんてなかった。

 今まで通り、何にも気づかずに生きていられた。

 私は島田くんとずっと、一緒に笑いあうだけでいられた。これから先もずっと。


 分類番号3の棚の陰、栞をはさんでこちらと向こう、見つめあうみたいな二人。


 ね、ナナコさん。

 あなたが私の名前を知らないのと同じように、島田くんもあなたの名前を知らないんだよ。

 シオリちゃんだと思い込んでる。


 そのことを言いたくて仕方がない。

 針で突いてあげたくて仕方がない。

 あなたが私にしたように。


 でもそんなことはしない。

 教えてあげるものか。絶対に。

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