第45話 クルマのお値段とは・・  

今日、知り合いの方と会ってお話をしました。

私よりも一回り以上年上の方ですが相変わらずお元気なご様子でしたので安心しました

この方は趣味もアクティブで某ドイツ車のスポーツカーに乗られています

紳士的で純粋に少年の頃からの夢だったクルマを買って楽しんでおられます

白髪で乗り込む姿はカッコ良いです


数年前でしょうか?

空冷バブルと言う単語が作られる位に中古車の相場が高騰した事がありました

そのバブル状態も頭打ちになり、一時は小康状態、もしくは冷めたものと思っていたのですが、最近再び相場的に中古車が上昇しています


普通の感覚ならば、手を入れてコンディションを維持して綺麗に乗られていなければとうの昔に廃車か、二束三文になっているクルマです

それにしたって、200万も出せば程度の良いクルマが入手可能でした

現在は1500ぐらいになってしまっています


更に言えば、空冷エンジンではないモノ迄上がってしまっています

このシリーズに乗っている方は数人知っていますが、6.7年前に買って車庫に保管して年に一万キロ程度を乗るような乗り方であったのに、今の相場は新車で卸した時と変わりません

言ってしまえば所有して楽しんだ分だけ得をする訳です

とはいえ、この状態は大変に不健全であるように感じます

クルマ好き以外の要素が相場に大きく作用しています


似た話でもありますが

クルマは分かり易いステータス性もあります

イタリアの牛のマークのクルマの乗り主はちょっと下品な方が多い気がします

この牛のクルマも同じく相場は上がってしまっています


昔からあるJLOC(ジャパンランボルギーニオーナーズクラブ)名古屋で則竹代表が活動されているような純粋にマニアの方が集まって楽しむのとは違って、今はお金さえあれば何でも出来ると言う人種がたくさん乗られているようです


かなり前の事で、バブルが弾けてしまった頃の話ですが牛のクルマが信号待ちをしているのを見ました

その頃でも珍しいのでつい見てしまったのですが、助手席側に座る人間が外から見ても明らかにちょっと違う雰囲気の方で、両足をダッシュボードの上に乗せた状態で走り去っていくのを見た事がありますが、物凄く違和感を覚えました

(借金のカタに車を引き上げていく感じがしました)


今はお金があれば何でも買える時代ではありますが、品物は買えても品性をどこかに落としてきてしまうのでしょうか?

目立つ車両なのですから、カッコよく決めて欲しいのですが今は違う様です


単なる自分の欲望だけが突出しているので理性が働きません

こういうケースはクルマだけに限りません

飲食店でも、何かのお店でも、公共的なシーンでも何かを我慢したり譲るような気持ちが無いか、薄いので人に迷惑を掛けているなどとは露にも思っていません


売る側も似たような人種が営業をしているので拍車が掛かります


以前はもっとレベルは落ちますがヤナセあたりのショールームでも敷居が高く、近寄り難かったモノですが、たまたま立ち寄った際にホストみたいな連中が馬鹿笑いをしながら即買いをしている場面に遭遇してしまいました


日本全体的に品位とまでは行かなくても、カッコを付ける大人がいなくなってしまっているようです

カッコを付ける、という事は何かをやせ我慢したり、理性を働かせたり、体裁を整えて自分を他者にアピールする大人の仕草だったのだと思います

これは男性でも女性でも根本は余り変わりません


昭和歌謡に登場する人間達はカッコつけの極致だったのでは無いでしょうか?


昭和を全肯定する気持ちはありませんが、やはりハラスメントやコンプライアンスなどのカタカナ言葉が幅を利かせるようになった時代から変質しているようです


私は見ていませんが、現在テレビドラマで放映している『不適切にもほどがある』という中で賛否両論があるようですが、議論が出ること自体を歓迎したいです









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