第弐拾捌舞
「ん~女の方は生かして連れて帰れって言われてるけど男の方は何も言ってなかったし…殺しちゃうか」
あは、と気味の悪い笑みを浮かべてもう一度パチン、と指を鳴らす。
それと同時に
いくら
そう思い
「こっちは平気だからそっちはそっちに集中しろ!」
と叫ぶ
本人が言ってるなら大丈夫なのだろう。
こっちはこっちで厄介だしね…。
拳銃を持った女子生徒の例の隣に刀を持った男子生徒が並び立つ。
…こうなると
う~ん面倒くさい。
試しに女子生徒の方へと近づこうとすると男子生徒が間に入ってきて止められる。
何度か刀で打ち合いが起こる。
…素人じゃない。達人とかそのレベルの技術がある。
「いいでしょそいつ。そいつも元Aなんだよ。その2人ならって恋人同士でさぁずーっと一緒だったんだよね」
こいつは人を道具としか思っていないのだろう。
聴いていて虫酸が走る。
「だからさ、殺しやすかったよ。今もいい
ケタケタと笑う。
どこまでもクズみたいなやつだ…。
恋人らしい幽霊生徒2人を無視して男子生徒へまっすぐ直進する。
グォッ!と苦しそうな声を上げながら
あの男子生徒に操られてのことだろう。
とっさにバックステップをして避けるが、パァンッ!と銃声。
「いっ!」
避けた先で左腕が被弾してしまった。
この巫女装束は防弾仕様なはずなので使っている弾は少なくとも
…撃たれた左腕に力が入らない。筋をやられたっぽいね。
だらんとたれて動かない自分の左腕を見ながらそう思う。
どうにか不意打ちをかまして一気に終わらせないとジリ貧だ。
「
「こっちは平気だから自分のことに集中して!」
心配してくれた
…無数の霊達が男子生徒を守るように動いている以上、すべての目を掻い潜っての不意打ちなど私達には無理だ。
せめて第三者、警戒されていないだろう誰かがいれば…。
「……―」
インカムから声。とっさのことだったので何を言っているのかわからなかった。
刀を持った男子生徒の霊が距離を詰めてくる。
気を取られていたせいで反応が一瞬遅れた。
とっさに右手で持っていた自分の刀で受け止める。
しかし、刀というものは本来両手で扱うもの。片手だと上手く力が入らず打ち合いをするのは難しい。
刀の入射角を斜めに逸らして相手の刀を滑らすようにして受け流す。
打ち合いができないためこうするしかない。
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