第38話 続 聖騎士 vs《遍く生を厭う者》②
○○○
とにかく《
予想通りとは言え、何度消滅させてもその都度完全復活を果たし、それはもううんざりするくらいに俺の命を狙い続けた。
それに相対する俺は、式符セナのお陰で、魔力量の制限から解き放たれたが、だからといって目の前の《
《
その代わりとなる主な戦術は、常時 《
もちろん《
いつ脱出できるかわからない《
時間の経過に伴い、この三点の内で最も消費が激しかったのはポーションであった。
相手はこれまでに戦ってきたモンスターの中でも最強の屍人だ。無傷で乗り切ることなどできるわけがない。
だから《
ただ、いくら節約したとしてもポーションの消費量が増えるのは仕方のないことであった。
そして二日と半日が経過した頃。
───あれだけ備蓄していたポーションの七割が失なわれた。
ポーションを使い果たすことは即ち死と同義である。このままでは……という不安が頭をもたげた。
今でさえ、俺と《
俺が戦闘で工夫しているように、前回の《
それは微々たるものではあるが、決して無視できるものではなかった。
「またかよっ!!」
目の前の
ついに目に見えてわかるほどの光魔法耐性を得た瞬間であった。
「何度やっても同じだッッ! 脆弱な人間よッッ!!」
振り下ろされるノコギリ状の大剣を加速して弾き、返す刀で一刀の元に切り裂いてみせた。
「《
広範囲攻撃に特化する代わりに威力を分散させた《
もはや《
なら、それならば───俺の光魔法はいつまで通じるのか。
かつて《不死の迷宮》で味わった恐怖心が、俺の心の中に再度芽吹いたのを確かに感じた。
そこから、さらに六時間が経過した。
相手が光魔法の耐性を持ったのは、有効だからと使い過ぎたからかもしれないと考え、《
「だッッ!!───」
《
「───しゃあッッ!!」
脚と腕を《
「ぐおッッ!!」
《
「これだっていつまで使えるか───」
続きを言葉には出来なかった。
言葉にしたらきっと俺は───
○○○
そしてそこからさらに六時間ほどが経過した。
俺と《
そもそも《
俺は忘れていた。
彼だって、俺が光魔法で弾幕を張ったように、闇魔法で───
「ッッ───」
それまで、肉弾戦主体であった彼がついには、闇魔法をバカスカと使い始めた。今回にいたってはいわゆるグミ撃ちというやつを仕掛けてきた。
加速した脚で床を蹴り、その全てを避け、それでも避けられないものはグラムで切り裂いた───直後、
「ぐうぅッッ!!」
弾幕の陰から、大剣が煌めいた。
《
「人間とは何と不自由なことか」
《
「腕を一本無くしたくらいで大騒ぎだ。全く見るに耐えん。腕が無くなったのなら───」
彼が自分の腕を大剣で切り離し蹴り飛ばした。そして、
「───
そう宣ってみせた。
切断面から黒いうにょうにょがいくつも伸びて絡まり合い、すぐさま何事もなかったかのように腕が戻った。
「ほら、簡単なことだろ?」
左腕を失った苦痛を噛み殺しながら、彼の煽りを聞いた。
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