第37話 続 聖騎士 vs《遍く生を厭う者》①
◯◯◯
イチローが姿を消してから、彼女達が《
しかし、悲しいかな、別空間にて《
つまり外界での一時間が、イチローのいる空間では一日であった。
そもそも、センセイの発言によると、三、四倍もの時間のズレですら発生する可能性は限りなくゼロだというのに、予想の遥か斜めに上に飛んでいくほどの不運を、ここにきてイチローは発揮したのであった。
○○○
「死ねいッッ!!」
空気を切り裂く凶刃が振るわれた。
「死なねーよッ!!」
それを弾くと、《
外界から《気》を取り込み、魔力への変換が可能となったことで、実質的に俺の魔力の使用制限はないようなものであった。
しかし、だからといって、《
超加速のインターバルに瞬殺されるはずだった運命が、いわゆる千日手になっただけで───いや、そんないいもんじゃないわ、食料と水の問題もあるし、ポーションの問題だってある。要するに、今の俺の状況は延命しただけとも言える。
何とか今の内に倒す算段をつけなければ、どこかで力尽きて死ぬことは必至であった。
倒す目処がつかずとも相変らず喉は渇く。《
どうせ懲りずに身体を復活させるだろうが、ほんの少しではあるが、時間稼ぎになるはずだ。マジックバッグから取り出した水を急いで喉に流し込んだ。貴重な水であるが致し方なしだ。
案の定目の前では、消滅した粒子が集まり灰に、そして灰が集まり肉となり、シュルシュルと集まった肉は塊となった。そうこうする内にあっという間に《
「粘ったところで無駄だ。どうせ、貴様は死ぬ運命にあるのだ」
《
前回は相手の復活の回数を正確に数えていたが、今回の俺は、数えることを放棄していた。それでも体感的には、二日間相手にしっぱなしということもあり、前回倒した千八十回以上は、既に倒しているんじゃなかろうか。
前回同様に《
だから《
そういうわけで、この頃になると、俺としても単に相手するだけでなく、試行錯誤を重ねて戦うことを余儀なくされていたのだった。
例えば、何とか相手を完全消滅出来ないものかと考えたり、完全消滅が無理だとしても出来るだけ少しの労力で消滅させることは出来ないかと考えたりし、それを目指していくつかの光魔法を開発したりした。
まずは《
残念ながら、強力な技ではあるものの《
他にも、相手の視覚を誤魔化す《
中でも特に手応えを感じたのは、極端な広範囲を一振りで攻撃出来る《
手元のそいつを振るうとブゥンという音がした。
迫りくる《
「かかってこいや!!」
ハリボテの虚勢ではあるが、泣き言を漏らすわけにはいかない。
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