悪役令嬢は宗教団体の教祖なので王太子との婚約を破棄されましたが、実は本物の神でした!
@simassima
第1話 教祖様の降臨
「王太子様、そろそろ辺境伯令嬢レーツェル・ハイリッシュ様との結婚が迫ってきていますが…」
「婚約破棄だ!あんな顔しか見てない詐欺師と結婚できるか!」
「しかし…」
次の日、結婚式場に馬車で向かう王太子、フェザーグ・オランシェは黒いフードを被った謎の集団に止められた。
執事が馬車を降り、黒い男を説得しようとすると、すぐさま説得の声が悲鳴へと変わる。
「ぐあぁああああ」
「セバス!」
子供の頃から世話をしてもらっているセバスチャンの腹にはナイフが深く突き刺さり、血がドバドバと流れ出す。
御者(馬車を制御する人)は馬車をよじ登り反対側へ降りるとそのまま逃げ出した。
怒りを抑え切れなくなった王太子は剣を抜き、馬車を降りるも、首をトンと叩かれ気を失ってしまう
拘束された状態で謎の魔法陣の上に乗せられ、何かを召喚しそうな雰囲気の中で王太子は目を覚ました。
(俺を生贄にする気か?)
動けない。どうしようもない。
「待ちたまえ!私の婚約者になんの様かね」
「なんだあいつは!」
「浮いているぞ…」
上空から降りてきた辺境伯令嬢レーツェル・ハイリッシュは5メートルほど浮いた状態でぴたりと止まった。
「世を乱す悪の組織に天の裁きを与ええる」
そう告げた途端電気がバチバチと光だし、黒い集団を襲う。
「おかしい、雷魔法なんてこの世に存在するわけがないんだ!」
「雷を操れるのはこの世界でたった1人、『神』だけのはずだが!?」
この世界に電気という概念は知られていなかった。
全周に輝く稲妻は確実に黒いフードの集団を殲滅して行く。
「死んでたまるかーー!!」
「これが神の裁きか…」
離れて見ている幹部達。
「神?冗談を抜かすな!あれはただの辺境伯令嬢レーツェル・ハイリッシュだ!」
「確かレーツェル・ハイリッシュは宗教の教祖様だとか…」
「いや、まさか、あんな詐欺商売師が本物の神な訳…」
「ですがこれは一体!ぐあぁああああああ!!」
幹部の男は気づいた。自分の組織の中で生きているのが自分だけになった事を
「調子に乗るなよ!殺してやるうう!!!!」
ドゴン、バチバチバチ
雷が直撃し、叫ぶまもなくチリとかした。
その状況を王太子はただただ眺めることしかできなかった。
黒のフード集団が全滅すると、令嬢が降りてきて拘束を解いてくれた。
「ありがとう。君は本当に神なのかい?なぜ今まで君を馬鹿にしてきた俺を助けるんだ?」
「それは、乙女ゲーム『愛の伝説、ファンタジー・ザ・ワールド』の攻略対象だからだよ!」
「は?」
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