椿花遠し

シキウタヨシ

日暮



しんしんと

寒き、指さきから

骨に伝いて

時折

吾が

右ての

指を反らす




陽は一日ずつ

延べど

爪をわる

乾きは

日一日

身に沁む




陽落つれば

凍ゆる寒きがは

忍びより

ひたひたと

身の端から

這い上がる




斯様では

椿花も

咲かざらむを。




/了

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椿花遠し シキウタヨシ @skutys

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