お料理しながらアイドルと恋をするだけの簡単な推し事です

をりあゆうすけ

第0章 プロローグ

 ビル風が、温まった空気を吹き上げた。


 彼女が深く被ってるキャップが、宙に舞い上がる。


 そして、太陽と重なり眩い光をさえぎった。


 ボクは一瞬、目を疑った。


「も、杜都もりみや……あぐ……ちゃん?!」


 ボクの言葉にハッとした彼女の顔は、季節外れの桜色に染まっていた。


 ボクの体温は、この日の最高気温を上回った。

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