花火大会

 そしてただの幼馴染のオレたちは、今度の土曜日花火に行く。

 

 幼馴染として仲良く遊びにいくのではなく…幼馴染の優花が好きな人に告白する練習に。

 

 優花は、オレのこと幼馴染としては一番におもってくれている。

 

 でも…好きな人は…他にいる。

 

 

 なんでだよ‼︎

 なんでなんだよぅ〜優花ー‼︎

 

 オレは幼馴染としても、好きな人としても優花が一番なのにさぁーーー‼︎

 

 

 急募。

 幼馴染の気持ちを簡単にかえられる魔法。

 

 そんなのあったらすげ〜よなー。

 

 まぁ、魔法が解けたらパニックだらけしかないだろうけどね。

 

 あっちでもこっちでも、そこらじゅうで揉め事多発。

 

 そんな魔法だれもつかうわけがないよな…。

 

 そんな卑怯なことするのって…きっとオレくらいだろう。

 

 …

 

 いや、オレもそんな魔法使いませんっ‼︎

 

 だって、魔法なんて使えないもーん。

 

 …

 

 無駄な時間、無駄な宣言を終えて就寝するのであります。

 

 そして…

 

 そしてついに花火大会の日でございます。

 

 晴天‼︎

 夜までずっと晴天‼︎

 

 花火日和ですねーー。

 

 では、では、花火大会のために持ち物チェック‼︎

 

 はい‼︎バッチリっす‼︎

 

 

 万全な準備をして優花をお迎えにって…

 

 優花ーーー‼︎

 

 

 なんと優花が浴衣を着ているじゃありませんかっ‼︎

 

 

「ヤバっ…かわい」

 

「えっ、かわいい?」

「うん、すげ〜かわいいぞ」

「わーい」

 と無邪気に笑う優花。

 

 こりゃ…告白したらどんな男もイチコロっしょ…

 

 優花ーー‼︎

 

 もう…優花がどんどん可愛く美しくなっていくじゃん…。

 

 

 花火会場につくと人がたくさんで優花とはぐれてしまうかもってくらいだ。

 

「優花、迷子になるなよ。」

 と言いながら手を差し出した。

 

「えっ、あ、うん」

 といいながら優花がオレの手を握った。

 

 おぉ〜う♡

 

 変態なオレはウハウハ喜んだ。

 

 

 でもさ、これからオレは優花の告白の練習に付き合わなきゃ…なんだよなー。

 

 

 優花がさ、好きな人思い浮かべながらの特訓なわけじゃん⁉︎

 

 正直シンドイよねーー…。

 

 今もこうして手を繋いでいるわけなんだけどさ、気持ちは繋がってない…みたいな?

 

 

 …

 

 あ‼︎

 

 オレはふといいことを思いついてしまった。

 

 もー、オレったらなんでそんな憂鬱な気持ちだったんだろうっ‼︎

 

 

 これはチャンスじゃんっ‼︎

 

 ここぞとばかりに優花とイチャイチャできるチャンスじゃんっ‼︎

 と、喜んだ。

 

 もう、お祭りに来てるだけあって心もお祭り騒ぎだ。

 

「優花、なに食べる?」

「かき氷のいちご〜!」

「オレメロンー‼︎」

 

 そして、オレたちは仲良く隣に座ってかき氷を堪能した。

 

 

「ねぇ、いちご美味しい?」

「うん、美味しいよ」

「なら、あ〜ん♡」

「えっ?」

「ほら、あ〜ん」

「あっ、はいっ」

 と優花がかき氷を一口くれた。

 

「美味い‼︎」

「でしょ?」

「うん‼︎じゃあオレのも優花に一口あげるね!ほら、あ〜んして?」

「えっ…いいよー。恥ずかしいし…」

「遠慮すんなって。これも練習だ」

「れ、練習か…。じゃあ…」

 といいながらあーんする優花。

 

 なんかさー、優花ってほんとに恥ずかしそうにするから、実はオレのこと好きなんじゃねっ⁉︎ってうっかり思い込んじゃうよねー…。

 

 演技上手…

 

 そんな演技上手な優花といると、オレはもう…優花が彼女なんじゃないかってなっちゃうよね。

 

 てか、さっきのいいこととは…

 

 もうこの際思いっきり優花とデート風を楽しんでしまおう‼︎作戦だったのだ!

 

 

 優花もいい予行練習できるでしょ?

 

 

 

 そろそろ花火が始まる時間だ。

 

 あまりひとけがなくて花火がよく見えるスポットをオレは知っている。

 

 てか、事前に調べた。

 

 もう、そういうことはやるよね!勉強とかは、まぁぼちぼちって感じだけどさ。

 

 

 そしてついに花火大会が始まったのです。

 

 てことは…いよいよ優花の告白の練習です‼︎

 

 続く。

 

 

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