トラッシュバトルロワイヤル~異世界のゴミ捨て場で前世を思い出したから、これからロボットたちと成り上がる~
masuaka
1.いつも通りのゴミ捨て場の生活
その日はいつも通りの日課で、俺は下層世界のA2ゴミ捨て場をうろつきながら、ガラクタのロボットの山から金になりそうな資源ゴミを探していた。
資金ゴミを探しているのは俺以外にも居て、中には俺より小さな10歳位の子どもがちらほらいたが、大多数は20代位の若い男たちが資金ゴミを漁っていた。
こんな資金ゴミを漁らないと生きていけない下層世界の住人のさらに最下層民。
俺はいつかこんな生活から這い上がってやる。
A2ゴミ捨て場から上層世界がある天空板を俺は睨みつけ、首にかけているチェーンで繋がれた3cm程度の長辺の金属プレートを握った。
長編の金属プレートは二枚あって、一枚は質があまりよろしくないプレートに「ジル」と書かれている。無理矢理人の手で彫ったのだろう、字が歪だ。
もう一枚の金属プレートは、ここら辺のゴミ捨て場には珍しい質の良い金属プレートだ。
するとこの資金ゴミ漁りの面々にしては、年長者の30位の背だけがひょろりとでかい男がジルに近づいてきた。
ジルは160cmいかない位の身長で、背だけが高いこの男と比較して小柄だった。男は上から質のいい金属プレートを覗き込むように見て、ジルに話し始めた。
「なあ、坊主。お前の首からかけてる金属プレートの資金ゴミ。このAAランクのネジ5個と交換しねえ?」
「ヤダね。これはじいちゃんの形見の金属プレートなんだ」
「じゃあ、せめてチェーンだけでも。それなんか良さそうな資金ゴミに見えるし」
「例え金塊と交換するって言われても交換しねえから! おっさん、あきらめな」
ジルが資金ゴミ交換の交渉に応じないと分かると、男はふんっと鼻をならして機嫌を悪くする。
「換金もしないでずっと肌身離さず持ってるなんて、それこそただのゴミじゃねえか。もったいねえ」
そして男はぺっと唾を地面に吐き捨て、その場を離れた。
総勢百人近くの人々が、ここA2ゴミ捨て場を歩き回っている光景を俺は冷めた目で見ていた。
今日もいつも通りなクソみたいな日常をおくる、そのはずだった。
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