第2話 有名モンスターにブチ切れる。

 俺の前にプニプニした丸っこいのが立ち塞がっている。


「退けって言ってんだろがっ! 邪魔なんだよっ!」


「僕を倒さないと先には進めないよ」


「はぁ? お前みたいなのが何意気がってんだぁ? 大体てめぇ手も足もねぇだろうが! 動物として動けてんのおかしいだろがっ! おめぇらみたいなのは生きれて水中だろうこらっ!」


「何を言っている人間め!」


「何処に内臓やら脳みそやらあるかもわかんねぇ生き物に言われたくねぇな! つか、てめぇらはよぉ! 人気ゲームやら小説やらに昔から出てるからって自分に地位があると勘違いしてねぇか? おめぇは元々ガキが作る5分で飽きて捨てられるクセェなにかだからな! やめちまえモンスターを!!」


「うるさい! 僕は由緒あるモンスターなんだぞ! 種類の中には強いのだっている!」


「はー! やだやだ! おめぇが言ってんのは高そうなバーにいる「俺の知り合いに芸能人いるんだよね」とか言っててめぇは何も偉くねぇのに自慢気に話してる仕事何してるかもわからねぇ小綺麗にしてるオッサンと同じだかんな! すげぇのはその芸能人だろうが! てめぇは何の努力もしてねぇし凄くもねぇ! 家で歯でも磨いてろってんだよ!!」


「うぅ……」


「つか、オメェは何で話せてんの? おかしいだろ? ファンタジーなら何でもありか? あ? じゃあファンタジー世界のくせにオメェが弱いのはなんでだ? ファンタジーなら何でもできるんだろ? ほれ? 魔法の一つでも出せや? 出せねぇのかよ? 出せねぇのかって聞いてんだからすぐに返事しろよ!」


「…………」


「黙りゃあ許してもらえると思ってんのかこら? お前何歳だ? ガキじゃねぇんだから言葉で発せよ? 言葉で聞かないとわからない、でも私の気持ちは言わなくてもわかるでしょ? ってか? わかるはずねぇだろうが! 口がついてんなら言葉にしろよごるぁ!」


「……口ねぇし……」


「口ねぇんなら最初から話すんじゃねぇ!」


「はいはい、わかりました。どうぞ通ってください。はい! あざっした! あざーっす!」


「開き直ってんじゃねぇぞ! お前はコンビニのやる気のねぇアルバイトか? 注意されて不貞腐れるぐらいなら接客業なんてやるんじゃねぇよ! 工場で働け工場で!!」


「はい、意味分かんないこと言ってますー異世界でそんなこと言っても誰も分かりませんー自分の知識ひけらかしてるだけでーす」


「人気作の人気に甘んじて生き残ってるだけのお前らよりはマシだけどな!」


「早く行けよ!」


「言われなくても行くわ!!」


 俺はプニプニした丸いやつの横を通り過ぎた瞬間に城で貰ったやべぇぐらい強い剣でそいつを背中からぶった斬った。


「雑魚がよぉ!! 舐めた口聞いてんじゃねぇぞ!」

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