第十一話 立ち上がりの音を付けるアクセント
発声練習は「kTah」とやります。この時の「k」は口を開けて発音すること。決して日本語をイメージしないこと。
同じように、yYou mMake mMe fFeel bBrand nNewとなる。yYou uMake eMee eFeel lBrand dNewとやっても構わない。この場合、前のお尻の音をアクセントに使う。これをNeo Maggioでは「しりとり」と言う。
英語ではリンキングと言う。
英語が聞き取りにくいのはこのリンキングに由来する。マイケル・ジャクソンの “Beat it” は「ビート・イット」ではない。「ビィレ」みたいに聞こえる。これが歌を良くする。
日本語でも「なんちゃって」はリンキングなのだ。「これとっといて」もそうだ。「ビィレ」は「ぶちのめせ」なのか?
「アクセントは必ず音符の前に付けること。上手くやると、音程は最初から完璧に合ってくる。立ち上げのアクセントはスピードを忘れずにやろう」とマイルス。
「この時アクセントは言葉やリズムの前に入る。遅れないこと、構えないこと、伸ばさないこと、力を入れないこと」
「アクセントは声をはっきりとして、音程を確かにしてリズムのあいまいさを無くす。言葉にするとき、アクセントは時として長く時間をかけて立ち上がるが、練習では最初は短く、段々長く行うこと」
「歌が不明瞭なときはアクセントを見直そう。音程が悪いときは音を探らずにアクセントを見直そう」
あれからナベさんは、アクセントに気をつけているせいか、バリッとしたような鋭い立ち上がりと、厚みが出て良い声になってきている。
「アクセントは立ち上げなので、実音ではありません。何か言葉の前に付いている、これで結構です。ただアクセントにはたっぷりとした長さとスピードが必要です。この時も、音を出そうとしない事が肝要です。いいですかナベさん」
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