第十話 はっきりとさせる魔法

 「アクセントの意味は?」と、マイルスが尋ねる。ナベさんは習ったのに言葉が出てこない。「ええっと、強くでは無くて...」ナベさんはこの辺は覚えているらしい。


「はっきりと!」と、マイルス。「そうそう」ナベさん」「そうそうじゃないでしょう。この際『はっきりと』覚えてくださいね」


 マイルスはナベさんに以前教えたアクセントをおさらいしてみようと言った。アメリカ人が人をからかう様に言う「アッアー」というのを聞いたことがあるだろう。やり方は簡単で、最初の「アッ」を手前に、次の「アー」をいつも発声するように出す。これだけ。「カッコー」と言ってみれば分かるだろうか?


 つまりは発声を反転させるのだが、そんなに難しく考える必要は無い。速く「アッアー」「アッアー」と言ってみれば誰でも簡単に出来る。


 そしてこの「アクセント」が音程や言葉、リズムを「はっきりと」させるのだ。


 例えば、「Tonight」と言うときに、「tTonight」と言ってみる。これは別に「uTonight」でも良い。どんな音でも良い。これがアメリカ英語であれば必ず言葉の前に付く。そして反転されて発音される。


 前につけた音は、必ずしも聞こえなくて良い。むしろ聞こえないほうが良いかも...少し練習しよう。

「wLove」「wWorld」「kTrue」「hBlue」「aNeed」こんな風だろうか。この時本文は絶対に伸ばさない。

死んでも伸ばさない。


 日本人はこの時ワードでなく、一音一音をばらばらに歌う。これがいけない。こういう風に習ってしまう。ワードで歌う、それだけでもかなり良くなる。

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