第32話処刑の時間

「師、、団?」


「勘違いをするな、跳ね返したのではない。取得したのだよ、貴様の技をな!」


「取得?どういうことだ!」


「そいつがどんだけすごいやつかはわからないが、技の威力そのままで技を奪えるからなぁ、強いやつが出てきてくれてラッキーだったぁぁw」


マチルダは口角を上げてわかりやすくニヤついた。


「マチルダぁ!」


トンッ


「え、師団?」


「サンダーランド、慌ててはダメだ。俺がやろう。」


「でも、、、師団!」


ビュンッ


「ふっ!」


ガンッッ!!!


「おっと、、なるほどぉ魔法を使わずに格闘スタイルでくるか!」


「…使わない?使うさ、」


レンドラピオ


ギュッ


「がっ!?」


「むかつくピエロの皮を剥いでやる!!!」


ブンッ!


「師団!」


「マチルダを連れてったわね、ついていこう」


「待ってケラー、どうやって追いつくの?魔法段が違いすぎる。」


コツッ


「…え?」


「ホウキ、、、え?」


「だから、ホウキで追いつけるって!言ってんでしょ!」


「言ってはないけど………」


「ホウキじゃ絶対追いつけないよ、さっきも言ったでしょケラー、魔法段が違いすぎるって…」


「だーかーら!気合いでしょ!!!」


「は!?」


トントンっ


「わあああっ」


「いいから乗れ2人!いくよ、、、」


「だからはこっちのセリフだって、追いつけるわけ、」


レンドラピオ


「気合いだって言ってんだろ、、、!!」


ケラーは俺たち2人を抱えてホウキに無理矢理乗せてきた。


「は、、や!!!ちょいちょい、これ落ちるよ!」


そのスピードは人智を超えた


「落ちるとか、そんなことより戦わないと!」


「分かるけどさ、、、!」


タタタタッ


「いた、いたよケラー!下!」


トニーが指を刺した方向にはまだかろうじて師団がいた。と言ってもその姿はブレブレでよくわからなかった。


「本当に足でこのホウキと同じスピード保ってんのかよ、、!」


「どうやって降りるのケラー!」


「そんなこと言われても…2人も考えてよ!」


「そもそも師団の目的はなんだ?なんでずっとマチルダを引っ張ってんだ?どこまで行くつもりだろ。」


「あ、わかった!師団は多分、都市を出ようとしてる。」


「なんでその必要があるんだよ?」


「きっと、マチルダは私たちに気付かれないようにゾーンを展開した。…多分だけど、その中の条件に何かマチルダに有利になるような条件が組み込まれてる。」

「ここに書いてるはず」


ケラーが緑一色に染まった画面を見せてきた。


「おいおい、ながら運転危ないって!」


ホウキがブンブンと上下にいったり来たりを繰り返し、緑の画面がまったく読めない。


「な、なんで書いてんだこれ…。」


「そろそろつくからスピード緩めるわ!」


「…あ、読める!」


「ゾーン10?まさか、この一つの条件に全ツッパしたってこと?」


「あいつ、、、魔法能力をギリギリまで上げる条件をつけてる。とことん卑怯。」


師団が今走っているということは、俺たちが気付くだいぶ前から師団は気付いていたということ。


「やっぱすげえな、あの人。」


「ついた、降りるよ!」


都市から外れた場所はただの草原だった。ゆるやかに落ちていくホウキにもどかしくなり、やがて草の上に飛び降りた。


「う、、ぐ。。」


「マチルダ、ここはゾーン外だ。お前の策は失敗に終わったんだ。」


「居た、師団!」


「待ってサンダーランド、」


ケラーが俺の裾を強く引っ張って引き戻した。


「おいなんでだ?早く片付けた方が、」


「いや、今は違う。師団のことだから、多分なにか考えてる。」


「始末させてもらおうか、マチルダ!!」


「お前はその体で勝てると本気で思ってるのか?ならば相当バカだな。」


「ははは、、さあどうかな。」


「キャノンデビエンド!」


「師団!」


「ダメ、でちゃダメ!」


「ファイアーイフリート!」


ドカアアアアアアアン


風と炎が混ざり合い、周りの草が焦げたり飛んでいったりした。


強い風が炎を広げて周りの植物を焼け焦がす。


「あっつ、、やべえな、」


「でもこれ……負けてるよ風に!炎が!」


「風に強い炎を出してきたかwだが無駄だ。全てが無駄!」

「さあ、断末魔を響かせようか!!」


ガンっ!!!!


「はぁ…はぁ…貰ったぞ。」


一瞬、風と炎が一つになった。その瞬間に全てが消えた。残ったのは焦げ落ちた草のみだった。


「どういうことだ?」


「お前は、悪魔なんだよ。悪い魔物だよ。」


「…ふざけるな、私は神だぞ?最高神レオナドフと契約をした聖なる神だ!」


「どこがだよ。お前はただのモンスターだ、人をどん底へと突き落とす憎きモンスターなんだよ!」


「いい加減にしろ!!!」


スキル発動

天罰パニッシュメント


虚空から赤い風が雷にも及ぶ速さと衝撃でマチルダに衝突した。


「があああああああああ、、、、!やける、肌が…」


「ぶっっとべ!!!処刑の時間だ!」


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