第10話モンスターダービー②

「精霊アラ…奴の対策は、対精霊魔法!だけど、すぐには当てるなよ!時間稼ぎをするんだ!」

「でも、ニュートン!トニーがやべえ!気絶してる!時間稼ぎするったって、強すぎんだろ!うわあっ!」

「トニー、マジかよ、これが精霊アラ…。異次元だな。空中に浮かんで、攻撃してくるのか…、これじゃあ攻撃が通るわけがねえぞ!」


「みんなっ!位置情報の開示の時間だ!シルクスクリーンの場所へ移動する!ごめん、後は頼んだよ!」

「あいっす!」


(ここまでは、作戦通り?でもねえか。だけど、シルクスクリーンにはどうにか接触できそうだ。ここからは、時間稼ぎ…)


「とは言っても、トニーを背負いながらはきつすぎるぞ。消耗しちまう!」

「サンダーランド!トニーを降ろすんだ!あの木の陰に降ろせ!」


「グラニーゾ!!!!!!」


「雹か。痛すぎる、」


「よしっ、ここに降ろせば…。」

「おい、あんた、周りが見えなさすぎだぜ?」

「は!?」


トニーを木の陰に置き、振り向いた時だった。


「妨害あり…接触あり!これが今大会のルール!さあ、やろうぜ。」

「羽!こい!よし。」


「おらよ!ウィーチャートルネード!」

「確かっ、竜巻魔法!!」

「気づいたときには竜巻の中に巻き込まれるのがこの魔法の特徴、最大の武器だぜ?」

「レンドラピオ、足を速くすりゃいいだけだよ!」


「お前の羽、光ってる?しかも、魔法の発動が早すぎないか?」

「お前は、油断しすぎみたいだな。裏はとった!キャノンデビエンド。」


ビタビタドッ!


「いって!木がっ」

「まだまだやってや…る」

「調子乗んなよアホッ!コントラドラゴン!!」


振りかざした拳をあっさりと振り払われ、その瞬間─────


ボキボキバキ!


相手からのカウンター、思いっきり振りかざされた拳は俺の腕に大きな衝撃を与えた。


「お前の羽も、おそらくスキルだろう。」

「スキル…?」

「そして俺のスキルが、このコントラドラゴン。どんなに巨大な攻撃だとしてもそれを必ず上回る衝撃をたった一発の拳に込める。これが当たれば、俺の勝ちは確定する。お前は、3分間ほど、強烈な痛みに耐えなければならない。その間は絶対に動くことはできないんだよ」


「ああ!くぅっ、そ!痛え…。早く、ニュートンのとこに行かなきゃなんねえのによ。動けねえ…」


「さあ、終わらせよう。」


「おい!俺の友達をいじめんじゃねえええええ!イラデフィーゴ!」


「あぶねー!ははっ!おもしれえ!なんじゃそりゃ!さっきまで気絶してた癖にいきなりこの威力!」


「何笑ってんだよ。ファイアーイフリートよりは威力のない炎魔法だけど、人1人焼くならイラデフィーゴで充分なはずだ。」

「そこじゃねえよ。つーか、今の威力じゃ、人1人どころか2、3人は死ぬぜ?笑ってんのはな、お前らの規格外さだよ。スキルかどうかは知らねえし、レベルもどれくらいかは知らねえが、こりゃ一筋縄ではいかなそうだな。」

「一筋も二筋も知らねえわ。俺、今いらついてるからよ、答えはそれだけだ」

「お前バカか?まあいい、さあ。」






「リスタートだ」






「やっと会えた…。シルクスクリーン!」


「妨害…。ではなさそうだな?」

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