第7話路地裏の少女

「とまあ、こんな感じの話があるわけだ。それでこれを後に知ったトリックスターのリーダー、コンポート•シルクスクリーンは、現在進行形でローカルを探しているというわけだ。」


「つまり、そのシルクスクリーンに会えば…」


「詳しい情報は恐らくあいつが握っていることだろう。それ以外にローカルに近づくための近道は無いと思う。」


「はい。それで、どうやって接触すれば?」


「モンスターダービーだ!モンスターダービーに参加してもらう。トリックスターの部下たちを引き連れて、シルクスクリーンがエントリーしたと話題になっていたんだが知らなかったか?」


「ああ!そうだったんですね!」


「あの!」


「お?元気のよさそうな少年…トニーだったかな?」


「はい!トニーです!モンスターダービーって、確かすごい危険な大会ですよね?死なないですかね?」


「いや、全然死ぬ可能性はある。」


「うえええ!?俺嫌だ!」


「とは言ってもなトニー、死ぬことなんて恐れてちゃどうしようもなんねえんだ」


今度は普通の声でレーファンがツッコミを入れた


「まあ、そもそもシルクスクリーンに接触する時点で危険なんだがな。」


「そうですよね。そもそも、話の通じるようなやつなのでしょうか…」


「ということで、そういう時のためにこれを持っていってくれ。」


「なんだこれ?」


俺の手に渡されたのは木で出来た…なんだこれ?


「これは、アクセサリーですね?」


「はい。このアクセサリーは、ボイスダミッスと言って、特殊なアクセサリーなんです。これを使えば、このアクセサリーをつけた同じオーガニゼーションの仲間のピンチが来た時に好きなタイミングでワープをすることができます。」


「まじですか!頂きます。ありがとうございます!」


「あざーっす!」


「おい!グラハムッ!」


「あっやべ。」


「それじゃあ少ないがここまでだ。」


「ありがとうございました!頑張ります!」


「失礼しました!」


相変わらずニュートンは元気だな、なんでそんな丁寧な姿勢でいられるんだろ。まあ俺が言えることでもないけど…


俺たちはダイヤの図書館を出て、また都市の中央部へと向かった


「ニュートン!ここからどうするの?すぐ行く感じ?」


「エントリー場所はアプリカの砂漠区域。ワープを使えばすぐだ。だが、2次エントリーまではまだ少し時間がある。せっかくこの都市に来たのだから、少しここで時を過ごそう」


「わかったよー。」


「今日の宿はもう予約してあるぞお前ら!」


「ありがとなレーファン!」


「ありがとお!」


俺たちは翌日に備え、早めに宿へと入り、夜を過ごした。


「トニー?終わったー?」


「うん!次行っていいよサンダーランド!」


─お風呂─


「ふうううううう!こんなにお風呂って気持ちよかったっけ?めちゃくちゃ気持ちいいんだけど!」


もちろんあの国の城でもお風呂には入っていたが、俺は兄と母が使っているお風呂とは別のお風呂にしか入ることが許されていなかった。そこは兄と母が使っているだだっ広いお風呂とは違い、小さめなお風呂だった。ちょうどこのホテルと同じくらい…


「だけど、こっちの風呂の方がいいや!」


「さってと、洗い終わったから着替えてさっさとレーファンに譲らなきゃ!」



「レーファン!終わったよ!」


「なんだかずっと叫んでなかったか?気のせいか」


「気のせいだよ…あはは…」


「なあ、悪いんだけどさ、ホテルの隣にあったコンビニにさ、ジュースあるんだけど、買ってきてくんね?お金渡すからさ!」


「もちろんいいよトニー!ニュートンはなんか飲まない?」


「いや、別に水で…」


「おっけ!ジュースね!遠慮すんなって!」


「あっおい!なら、これお金、ありがとう」


「なんか照れてない?珍しいねw」


「気のせいだ…」


─コンビニ前─


「えっと、ジュース、ジュースっと!」

「えっ!?うわっ!」


「ちょっとごめん!来て!」

「ここ!路地裏!?なんで!?てか誰?君?」


あ!そうか、確かあの古い館の戦いで使われてた魔法だな、肉眼で見えるところにワープさせるってやつか…


「今はまだ何も話せないの!だけど、お願い!助けて!」


髪長いな、お母様みたい…


「追われてるの!どうか助けて!」

「え!?え!?」

「おい!待てお前!」


路地裏に現れたのは黒い服の男たち。


「あの服、確か…洋服?だっけ?」

「モビメン!」

「うわっ!またワープした?俺もなんかしなきゃ。」

「ほら!来て!」

「うわっちょっ!引っ張んないで!」


路地裏の1番奥にあったボロいビルに俺は引っ張られて入った


「はあっ…はあっ…静かにしてて…」


電気がなくて暗い…狭くはないけど…

「え、あれ?なんかバックが光ってる?」

「鳥の羽だよ!魔法、出せる?」

「うん、やってみる。待ってて!」

「え!1人で行っちゃダメ!」


ドンドンッ!俺はボロボロの意味のないドアを手で強く押した


「お、いたぞ!あいつだ!」

「来たな…よくわかんねえやつら!」

「くらえ!キャノンデビエンド!」


明るくても暗くても、風が見えることはないが、この魔法を使った風は強すぎるのか目ではっきりと風の流れが見えた!その風が洋服のやつらに向かってすごいスピードで向かっていった


「ぐあああああああっ!」

「わっ、すごいね、君」


隣に来たその子の髪が見えない透明な風でなびいた。


そういえば、俺、まともに女の子とかと関わったことなかったな…

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