第34話
~『剣姫』side~
「じゃあ早速説明していきますね。
まず一つ目のスクロールは……『鑑定』です!!!大当たりですよ大当たり!!」
一瞬何を言っているのか、理解するのに数秒かかったけど、
(…………え??てことは……………………………やったー!!!1000万!1000万も節約できたー!!レッドオークのドロップアイテムとゴールデンスパイダーの厄ネタの剣で萎えてたけどほんとに良かった……!!!)
お金を節約出来たことと、動画のネタが出来たことで二つの意味で美味しい結果となり、
有頂天になってた。
で、問題が、
「「あと一つは……うーん。ちょっとというか、かなりマイナーなんですけど
『天雷』ですね」
「『天雷』?!?!……『天雷』?」
あれ?確か私のリスナーが『修羅』さんに聞いてて答えてたような……
『あの魔法はですね、『天雷』と呼ばれる自然魔法の一種です。説唱時間が長いのと魔力消費量が半端じゃないのでマイナーになってます。あと、素質が無いことがほとんどなのでね』
だっけ、私ちょっとしたことをすぐに覚える記憶力だけはいいんだよなぁ。
「やっぱりか……」
後ろを振り返ると、予想していたという顔をしている『修羅』さんがいた。
「え?!知ってたんですか?!」
「知ってたというよりも、推測できる根拠が多すぎるんですよ。いいですか?
スキルロールというのは、殆どがモンスターが使う通常魔法が記憶されているものなんです。つまり才能が無い人でも簡単に魔法が使えるんです。……魔力量がその分あれば、ですけどね。
で、俺が戦ったゴールデンスパイダーは、魔法を使わなくても十分強いモンスターなんですよ。というか俺が戦ったゴールデンスパイダーが例外です。ゴールデンスパイダーは魔法を覚えません。普通は。しかも自然魔法……おそらく探索者が使ってるのを見て真似たのでしょうね。まあ自然魔法を使う変人なんてあの爺さんしかいないと思いますけどね……」
・爺さん?
・爺さんって言ったら、
・あの人やな
「あの、爺さんとは?」
「俺と同じ、Sランク探索者の『賢者』ですね。十八番が自然魔法って自慢ばっかりしてくるんですよ。なので、まあ、うん、
実験台にでもされたんじゃないですかね。ゴールデンスパイダーは」
け、『賢者』って……!!日本人なら、特に東北の人なら全員知ってる人!!『修羅』さんと同じSランクの人!かなりのおじいちゃんで100歳をこえてるって噂があるんだけど……
ていうか、実験台?!あのゴールデンスパイダーを?!?!
「それでゴールデンスパイダーは逃げることが出来たんじゃないですか?まあ『天雷』を使えることが出来たのは魔力量が豊富だったのと才能があったからじゃないですかね。
ゴールデンスパイダーも、魔力がそこそこある中層に生まれてからずっといたわけですから」
——へぇぇ。やっぱりモンスターは体の作りが根本的に私たち人間と違うってことなのかしらね……
「因みに、ゴールデンスパイダーが撃ってきた『天雷』。あれ、あまり威力は無かったですよ?」
「はああああああああああああ?!?!?」
・は?!?!
・はにゃ?
・マ?!
・あれで全力じゃないって……
え?ちょ?どういうこと?!
「俺基準でいってますよ?だから『剣姫』さんがまともに食らったら1発アウトです。
前に『賢者』と死合いした事がありましてね。その時の『天雷』の威力は…二度と食らいたくはないですね。むしろやられたお陰でゴールデンスパイダーの時は対処できましたが」
ゴールデンスパイダーの『天雷』。あれそんな威力無いほうなの……?私がワンパンって自慢じゃないけど相当だよ?
「そ、そんなに強いんですか…」
「Sランクですからね。……話は長くなりましたが、とりあえずどちらのスキルロールも『剣姫』さんが使ってください。『天雷』のスキルは……まあ、『賢者』に話しておきますよ」
え??
「な、何で『賢者』さんに話すんですか?!」
「使いこなせないからですよ。独学でスキルを使いこなしていくよりかは絶対教わる方がいいでしょうね。むしろあの人なら喜んでやりますよ」
「じゃ、じゃあ!よろしくお願いします!」
なんかよく分からないけど『賢者』さんに師事出来るかもしれない!
———これで強くなれる!!!
・やったな『剣姫』!
・いきなり出世しすぎやろ
・『剣姫』が『賢者』様に師事出来るのか……羨ましすぎる!!
・ワイもまたダンジョン潜ろうかな
「あのーーー。そろそろ魔石も預かっていいですか〜?」
「「あ…」」
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