コンプリートガール
@ttma
遠隔じゃねーか
今日も今日とて俺はパチンコ屋に向かう。向かう先はパチンコ屋ダシマッセ倶楽部である。
俺の名前は山田亮介である。高校を卒業後ホームセンターに就職した俺は、職場の先輩に連れられて行った初めてのパチンコ屋で1500枚出してどハマりした。それからはほぼ毎日このダシマッセ倶楽部にきてパチンコ・スロットを打つという毎日である。もちろん金は減っていくよ。ギャンブルだもん。
今日も仕事終わりに来店した俺はパチンコのコーナーを抜け、スロットのコーナーの様子を見に行った。時刻は6時半、閉店まで大体4時間今日は閉店まで爆出しして負け分を取り返すという意気込みで向かっていた。狙い台は鋼砦のゾンビというスロットである。
鋼砦のゾンビのスロットを探しつつ、天井間際の台がないかを探しながらスロットのコーナーを見ていると何個ものドル箱カチ盛りしている台があった。言っちゃあ悪いこんな過疎店で爆出ししている台は珍しい。気になって通り過ぎながら台の方に向かってみるとそこには黒髪のとてもパチスロを打つように見えない上品な格好をした女性が打っていた。よく見るとかなり美人だ。
打っている台は少女戦記という台であり、
ATつまりラッシュに入りにくいが入って仕舞えば95パーという超高継続率のATに入ることができる。言ってしまえば荒めの台である。
"ブイッ!!!バトルッ!!!"
"ウォーー!!!グワァーーー!!!"
少女の姿をした主人公が眼帯をつけた敵のおっさんを休むまもなくどんどんボコボコにしていく。このスロットは基本的に3回おっさんを倒すチャンスがあり、その3回の間におっさんを倒せばセットが継続するというシンプルなゲーム性である。シンプルな中にも法則性などがあり面白いと評価されている台だ。通常時以外はな。
まあ今日だけ出すのは今日だけだろうと俺は彼女を横目に自分の狙い台である鋼砦のゾンビに座った。まあ軽く5000枚ぐらい出すかな。俺はぐいと伸びをして遊戯を開始した。
結論から言うとタコ負けした。4万投資回収ゼロ。天井に行って単発を2回繰り返しただけである。おもんな。帰ります。
まあ明日も捲ればいいという訳ですわ。
次の日
後30分でしごおわだ。俺はしきりに腕時計を見ながら時間が経つのを待っていた。店長代理の俺は閉店作業をしなくてはならないのでもう少しかかるのだが。
腕時計をチラチラ見ながら適当に物品を見ていると肩をトントンと叩かれた。
この女性は・・・。
後ろを見ると昨日ダシマッセ倶楽部で大量のドル箱にカチモリしていた女性がいた。
その女性は携帯でラックの画像をこちらに見せながら指を刺している。
「ラックお探しですか?」
女性はコクコクと頷いた。
「ラックでしたらこちらです。」
俺は、ラックの位置を女性に案内した。女性はお目当てのラックを見つけると満足そうな顔をした。恐らく爆勝ちして家具を新しくしようとしているのだろう。腹が立つ。その後俺はお客さんがいなくなったことを確認した後に閉店作業をした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ぐぅあーー!!疲れたー!!」
閉店作業を終えた俺は車の中でぐっと伸びをした。
「よし、今日も行くか。」
狙い台は今日も鋼砦のゾンビである。だって面白いもん。
ダシマッセ倶楽部についた俺は早速スロットコーナーに向かった。すると今日も少女戦記の台で爆出ししている女性がいた。めちゃくちゃ爆出ししているのに無表情である。少しは喜べハゲ。
俺はそんな彼女を横目に鋼砦のゾンビの台に座った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今日も負けか・・・。鋼砦のゾンビには、キャラ役というものがあり、大当たり後のST中に一切引けなかった。ちなみにSTというのは大当たり後に突入するゾーンでそのゾーンでは当たりやすくなる。その時に引けなかった。
「ちくしょう。」
俺は負けたことによって消費した金と時間を惜しみながら車の中で舌打ちをした。そういえばあの少女戦記の台で毎日出てるから設定が入ってるのかな、明日は休みだし早めに起きて行ってみるか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます