見えない友だち

圭琴子

プロローグ

プロローグ


 夏休み、小学生のあなたは、初めてひとりで北海道のお爺ちゃんのうちに帰省します。

 そう遠くない場所なので、大人たちはあなたの初めての冒険を見守っています。


 お爺ちゃんは、近所の大きな公園に連れて行ってくれました。

 様々な施設が集まった場所で、退屈しません。

 ボートに乗れる池、野球場、パークゴルフ場、神社――中でもあなたが好きなのは、大昔の蒸気機関車に入って遊べる北国博物館でした。


 早速あなたは、機関車に乗り込んで遊びます。

 その中で、あなたと同じくらいの背丈の奇妙な格好をした子どもと出会いました。

 名前を聞くと、どうやら日本人ではないような気がします。

 それで、奇妙な格好にも合点がいきました。


 その子と、様々な施設の中で沢山遊びました。

 お爺ちゃんはほっくりほっくりと、あとを着いてきて見守ってくれています。

 

 新しいお友だちは、大池で白鳥ボートに乗りたいと言うと、一緒に乗ってくれると言いました。

 中州のしだれ桜の葉っぱが、青々として綺麗です。手を伸ばせば届くような気がしました――。

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