おにぎりから始まるラブストーリー

灯火(とうか)

「あっ、おむすびが！」

　私の昼食のおむすびが手から落ちて階段を転がってしまった。

「ああああああ」

　急いで拾った。よし、11秒だ、セーフ。

「おい。」

「へ？」

　声をかけられた。

「お前、まさか食うつもりじゃねぇだろうな。」

「え、もちろん食べますけど。」

「捨てろ！」

「えぇ〜。勿体無いじゃないですか〜。」

「いいから捨てろ！」

　どうやら、入学早々厄介な人に目をつけられたようだ。

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