僕は初恋の彼女と運命の再会をする。

ロム

プロローグ

プロローグ

 なんてことない、大学での授業のオリエンテーション。あくびをしながら教授の話を聞きつつ、暇つぶしに大講義室を見回した。


 その時だった。

 僕の目に、綺麗な長い黒髪を揺らした女子の横顔が映った。その瞬間、僕の脳に爽やかな春風が吹きつける。


「……晴香はるかちゃん?」


 思わず声に出してしまった。

 

 白石しらいし晴香はるか

 彼女の名前を声に出したのはいつぶりだろう。少なくとも、中学、高校の6年間では1度もなかった。頭の中で思い出すことすらなかった。

 それなのに、彼女の横顔を見ただけで、彼女のことを鮮明に思い出せた。昔の雰囲気を残しつつも大人っぽく成長した横顔に、僕の胸は高鳴った。


 これが、彼女との偶然の出会いだった。

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