第3話
教室の中に入れられる。
「ゆ、優!!」
部屋の奥から次々とクラスメイトが入って来る。
そして、俺は何故か、ヒロに抱きしめられている。
「良かった!!良かった!!」
ヒロは泣いている。
そしてクラスメイトも泣いている。
意味がわからない。
理解が出来ない。
俺のことが嫌いな筈なのに・・・いや、そうだよな。クラスメイトが自殺したら都合が悪くなるのは自分達だもんな。危機一発だよな。
あー、俺はこれからも地獄を見ないといけないんだ。
いや、俺がすることが変わらない。この辛い現実から逃げるんだ。
「・・・優、ごめんなさい」
春が謝って来る。そうだよな。流石に嫌でもここは謝らないと
「・・・」
俺は答えない。
「優・・・聞いてくれて」
ヒロは真剣な顔をする。
「・・・」
「俺は、誤解して居た。優は冤罪だった。痴漢なんてしてなかった」
「・・・・・・・・・」
俺はさっきの妹の態度を思い出す。そうかだから、お兄ちゃんと久しぶりに読んだのか・・・
「本当に悪かった。」
「ごめんなさい」「優ごめんね。」「ごめんない、ずっと謝りたかった。」
よく分からないけど、一ついえるのは今更だった。
思い出す。裸で体に落書きされた写真
ボロボロにされた体の傷。晒された、俺の知られたくない過去。
監禁されて、漏らして所を取られた屈辱。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
遅い、何もかも。
___
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