第18話 忍び寄る影の存在
これに驚きを隠せずにいた
「この惑星に……いるはずがない? って、どういうこと?」
「それは、私にも分かりません」
「分からないって、元凶を断つために追いかけていたんじゃないの?」
「はい、惑星シンビオシスに追い詰めたまでは覚えています。ですが、最後に記憶しているのは、前世の
――そんな時である!! 突然背後から何者かの気配を感じ取った
「「「グゥゴォォウッ――ッ‼」」」
数にして、およそ十体。二メートルはあるであろう巨体に、口と額には二本の牙と角。瞳は赤黒く染まり、風貌はまるで悪魔そのもの。動きはやや鈍いが、囲まれてしまえば逃げ場はない。しかし、この危機的瞬間を打破しようにも、街まではかなりの距離がある。ゆえに、二人に与えられた選択は、やらねば殺されるといった絶体絶命の状況であった。
「あっ、あれは、パラサイト・オーガ‼ ――しまった、今はやり過ごせる残骸はないし、逃げようにもフローティング・ボードは一人用。どうしよう……」
「
「見ての通りだよ、僕はこんなところで死ねないの。
「
子供達を想う慈悲深い心に、
「だけど……何かの武器で殴りつけても、その後どうしたらいい? 何度でも立ち上がるオーガだよ。僕の力じゃ、きりがないよね。こんな時、
よって、これを浴びた体は溶けるように消滅してしまい、簡単に殺すことも可能ではある。ところが、問題が1つ。協会は街にしか建てられておらず、あいにく聖水も持ち合わせてはいなかった……。
「
「はあ? なに言っての。そんな
「華奢……と言われましても」
そんなやり取りの中――、静かに忍び寄る一体のパラサイト。近づき口を開けたかと思えば、突然にも
「グガァ――‼」
「きゃぁ――」
「
「なるほど、やはり体術は効かないようですね。でしたら、これならどうですか」
「
鞘から刀を抜いた瞬間――、
「邪を祓い魔を滅する剣技――、行雲流水!!」
声を荒げた形相とは裏腹に、太刀捌きは流れる雲や水の如く柔らかな剣技。まるでその切先は、幾重にも連なり合う千手のような光景。
これにより、鬼生体の両腕は音もなく崩れ落ち、空中で微小な塵となって消えてゆく…………。
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