SM理論

大和なでしこ

はじめに

 「世の大半はSとMに分けられる」と、漫画『妖狐×僕SS』の登場人物の一人、青鬼院蜻蛉は言った(要出典の確認)。世の中はSかMに分類できるらしい。その感覚は男性たる筆者には分からないのだが、この世にはSかMかの談義に盛り上がる女性が多いらしく(要出典)、その中で最も感覚の鋭敏なる腐女子達は、生物のみならず無生物さえSかMに仕分けることができるそうである。石や草であっても、SやMに属するらしいのだ。なんと面妖な。

 しかし、世界がSかMに大分できるのであれば。そこには何かしらの法則性が見えるかもしれない。そう考え日夜腐女子BL用語や創作物を研究する内に筆者がたどり着いた理論が、SM理論である。それは、BLが得意とするS(乃ち、攻め)とM(乃ち、受け)の、性的な関係性の話だけでなく、もっと汎用性のある、この世の一真理を説明できる理論となっている。

 なぜこの人はそんなことをするのか。また、人間を著す文学作品の中で何気なく行われる行動が、実は背景にSとMゆえの行動原理を持つことが、SM理論を通すと見えてくる。

 SM理論の応用法はまだ大してないが、ここに基礎的考え方、つまり理論を記すことで、筆者以外の研究者がSM理論を応用・利用できるようにし、まだ見ぬ適用先を考え、この世の事象の説明に使っていただけることを期待するところである。

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