享楽

あんちゅー

耽るは瞬きのように

生を受け、順天、花は散る


斯くして人生は幕を下ろす


しかし、潰え消え去ることはなく


命は循環し、喜びは満開に


また生を受け、散るのを待つばかりだ


悔やむことなど無い


次の私は理想の自分である


そう思えば程度の低いことである


苦痛に喘ぐ日々も


夢半ばに散りゆく日々も


幸福な日々ですら


次の順天により雪がれる


循環する生の中で


私達は明滅する光である


着いたと思えば生き


消えたと思えば死んでいる


瞬きの間に終えて始まる


夢とは斯くも儚く、されど鮮やかなものである


軽々と耽る享楽に絆される絵のように


菜彩とした恍惚に耽溺しては堕ちるのみだ


無常に綴じる命の詩集


次の命が芽吹き始める


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

享楽 あんちゅー @hisack

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る