第23話

「・・・優君と桜ちゃん」


「・・・あ、春ちゃんか!!久しぶり」


「・・・う・・・うん」


春は気まずそうに答える。


「ねぇ、どうして、桜ちゃんに運んでもらってるの?妹さんは?」


「あー。交代でしようってなってね」


「・・・待ってよ。なら私は・・・」


「・・・」


優は思う。どうして、桜さんは俺にこんなに優しくしてくれるかなと


「私だって、優君と一緒に色んな所に行きたいよ」


「・・・ねぇ、優君。春ちゃんってなんか変な人なの?」


「そうだね。一旦逃げようか」


「わかった。じゃあね!!ごめんね春ちゃん!!」


「あ、あ、」


優は考える。別に桜さんとはそこまで仲が深いわけではない。一応は前の知り合いってくらいで幼馴染と言うほどでもない。どうしてここまで優しくしてくれるのだろうと、


優は苦しそうにしていた幼馴染を完全に眼中に入っていなかった。

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