第3話 龍族皇帝
地獄。
最も深い深淵であり、光から遠ざかった者たちの終着駅。
それぞれの領域と軍隊を率いる最上位クラスの悪魔たちが毎日のように戦って噛みちぎって狂乱のパーティーを繰り広げる血と火の舞台。
悪魔たちの敵は天上などではなかった。 もちろん、彼らとの「最終戦争」や「ユグドラシル」の主導権をめぐって行われることなど、様々なことがあるが、
それは後のことであり、今戦わなければならない敵は他でもない他の悪魔たちだった。
下のものは下のもの同士、上位者は上位者同士が戦った。
下のものはいつも上位者を食い物にしようとし、上位者たちはいつも余興に下のものを殺し、復活させ、再び殺した。
悪魔が一番好きな装飾品は他の悪魔の骸骨であり、負けた者が叫ぶ魂の悲鳴は彼らが一番愛する音楽だった。
悪魔たちはこの楽しさを「ユグドラシル」に開かれたすべての「実」と共に楽しみたいと思った。
すべての実が自分たちのような楽しみに満ちた糖度の高い果物になることを願った。
そして「あの方」が最後の食卓を用意するその日、一番立派な晩餐を楽しめるように···
天使というのは理解できない族属たちだった。
彫刻を削ると壊して、食卓を開くとひっくり返そうとした。 塔を積んでおくとブロックを外そうとして楽しめば響いて、絶望する者を見て嘲笑する奴らだった。
彼らこそ悪だった。
悪魔たちにはその無頼漢たちから「実」の「糖度」を守る崇高な使命があった。
振り回されるかもしれない哀れな生命体のために、日々聖戦を繰り広げてきた。
そして、その崇高な使命のための最も正しく、最も悪魔らしい道は···
他の悪魔たちと「一緒に」戦うことだった。
しかし、悪魔たちにはそれぞれ追求する楽しさと聖戦の方式があり、統合されにくかった。
それで選んだのは··· 真の「一つ」になって二つの悪魔の力を自分の「正しい道」に導くこと。
それで笑い···いや、涙をこらえながらお互いを食べた。
誤った考えをする兄弟を破って吸収し、彼の力を正しい道に導いた。
本来正しいことは行い難いもの。 そのために手段と方法を選ばなかった。
甚だしくは憎らしい天使たちを利用することすら憚らなかった。
愚かな天使たちは、惹かれることも知らずにたびたび入ってきて、兄弟たちを肉の塊にした。
天使たちがおいしく料理してくれた兄弟は、悪魔たちの食卓に上がった。 運が良ければ、天使1人や2人もおまけに上がってきた。
天使たちはこれを勝利だと思った。 愚者たち。
大きな勝利のために一、二手ほど譲ることは、悪魔たちにとっては何でもなかった。
料理の代償は、料理を食べた者たちからたっぷりもらうことになるだろう。
神聖な地獄を踏んだ対価で彼らは踏むところを永遠に失うことになるだろう。
そして、そんな悪魔たちが協力して···
偉大なハエの王ベルゼブブが最上位の天使たちと向き合うようになったのだった。
その日、ハエ宮殿には天上で最も強い者たちと地獄で最も強い者たちが集まった。
もちろん戦うのはベルゼブブ一つだったが、尊敬する王を、愛する兄弟のために数えきれないほど多くの食客が料理を待っていた。
もしかすると、その場でベルゼブブと最上位の天使たちを皆殺しにして、長い戦闘を終えることになるかも知れないことだった。
予言があるからといって、予言が叶うのを待つ理由はなかった。
「最終戦争」はないことになる可能性もあった。
偉大な者の予言を無きものにして、彼から逆情を買うことになったら···
彼と一つになる栄光を享受するかも知れないことだった。
あまりにも早く目覚めてしまった地獄の最終兵器「リヴァイアサン」は、その凶悪な力を吐き出し、数多くの食客を食い荒らし、ベルゼブブまで気絶させた。
巨大なハエの王は体を震わせた。
彼の羽ばたきにくらっとした腐敗臭が訪れたハエ宮殿、いや正確にはハエ宮殿の敷地を覆った。
悪魔たちの裏切りなんて予想していた。
地上にいるすべての生命体の寿命を合わせただけの時間を地獄の玉座で過ごした彼だった。
そんなことで悲しむことも、憎むことも、驚きもしなかった。
ただ、痛恨の事実は、リヴァイアサンが消えたということ。
地獄の悪魔で楽しく食事を終えたリバイアサンは食後の眠気に陥って眠った。
そしてベルゼブブも気絶していた間···
卑劣な天使たちが彼を誘拐した。
ベルゼブブは彼の父親だ。
息子を一日でも早く見るために、多くの悪魔の魂を捧げた。
そしてその息子は、この父の肉体と魔力をかなり噛みしめた。
育ててくれた恩を知っているなら、当然この父のところに戻ってこなければならないだろう。
いや、父は息子を信じている。
今頃、息子はこの父のもとに帰りたくて泣いているだろう。
その考えをすると、形容できない悲しみと怒りがこみ上げて魔力を放出し、そうでなくても粉々にしたパリ宮殿を粉にしてしまった。
そして心の中で息子に話すことだ。
「必ず迎えに行くよ。」
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アグドは遊牧民の商団と共にデラメールの正門を通っていた。 ここは単純に都市の入口ではなく、文明と野生の境界でもあるため、他の地域に比べて特に城壁が高いと言った。
なるほど、こんなに巨大な城があるとは思わなかった。 漆黒の壁が地球の高層ビル並みの高さに、横にも果てしなく広がっていた。
厚い鎧を着た門番が商団の代表であるアイルの前に近づいた。
「族長になったと聞きましたが、直接来られるとは思いませんでしたね。 どうぞお入りください。」
この地域はあまりにも遊牧民の接触が多い地域なので、警戒兵が各部族から来る商団の面々を大体知っていた。
アイルも族長の上に上がる前、上段を率いてたびたびここに来たという。
そのおかげで、城門を通過するのにそれほど時間はかからなかった。 新しい顔であるアグドを見ていぶかしがったが、部族で新しく入れた子だと言うと、何の疑いもなく騙された。
このように通過が容易だったのは、ボルト族が持つ攻撃的でない遊牧民というイメージのおかげだった。
城壁は厚さもものすごかった。 野生地域で怪物が出没して都市を攻撃してくることがたびたびあったためだと言った。
昨日のユウヤミよりも危険な怪物たちもしばしば襲ってくると言った。
初めて見た都市の姿はアグドが知っている現代都市それ以上だった。 高い建物とよく整備された道路、そして地球の技術力では不可能に見える空中に浮かんでいる建物まで。
工学者だったアグドの好奇心を刺激するだけだった。 新しいものを見るたびに、自分が持っている技術で具現できるかと思った。
ファンタジーと言えば中世風の建物が敷かれた平和な建物を思い浮かべたが、ここは自分の認識を壊すものだった。 偏見を持っていた自分を反省するようになった。
厚い鎧を着た兵士たちが通り過ぎた。
銃で突き抜けるかと思うほど厚い鎧を着た者と鎧よりは制服に近いものを着た者まで多様だった。
現代都市以上の高位文明にこのような前近代的な服装をした戦士たちの組み合わせが妙だった。
しかし、アグドは見た。 ここの冷兵器が、自分が知っている無知な兵器ではないことを。
あの剣と鎧には、きっと未知の魔法がかかっているはずだ。
遊牧民を無視するのではなかったが、定住文明国家の戦士たちが遊牧民のネアより弱い魔法を使うとは考えられなかった。
武器として魔法を使うために採取および精製という過程が必要だということが分かった。
常識的に遊牧民村に精製所が一つあるとすれば、定住民の文明国家には少なくともこの都市の一ヵ所だけで数十ヵ所はあっても不思議なことはなかった。
前世の科学のように学問の影響を多く受けると見られる分野であるだけに、魔法技術自体も遊牧民よりは定住文明国家が優秀だろう。
ここの魔法体系について、まだ無知な者の視線では、そのようにしか考えられなかった。
ここに来てみてよかったと思った。
今日この風景を見ていなかったら、いつか彼らと敵として向き合った時、何もできずに敗れることもできた、
やはり わかることは ちからだ。
都市見物に夢中になっている間に、この都市に来る度に交易をしてくれたという龍仁商団に会うことになった。
龍仁とか、ハーフドラゴンとか、そういう大袈裟なことを言っていたようだが、見た目ではただ心優しい青年としか見えなかった。
昨日のユウヤミという怪物たちと比べてみると、ただの人間にしか見えなくて、その力を推し量ることができなかった。
あちこちを歩き回っている兵士たちとは違って、特別な武装もしていなかった。
ああしてこそ世の中のあちこちを歩き回る商人の役割ができるだろうかと思うほどだった。
その上段のリーダー格のように見えた金髪の男は、アイルに向かって挨拶した。
「お久しぶりですね、アイルさん。」
商人らしいビジネスの笑みを浮かべながらこちらの人々と順番に挨拶していた彼の微笑はアグドを見た瞬間···微妙に表情が変わった。
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.
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当惑とともに歓喜が立ち上っていた。
あやうくお辞儀をするところだった。
急にお辞儀をすると注目され、彼を不快にさせることもできた。
もしそうなれば、見物人を皆殺しにした後、安らかさを取り戻すしかなかった。
-「間違いない。この方はきっと···」
龍仁は本能的に仕えるべき主である龍を見分ける。 特にその格が高ければ高いほど強い感じがするが、この子を見るやいなや一度も感じたことのない歓喜と服従感が胸の中の深いところから上がった。 そしてその感じが指すのは、この子が火山龍王以上の竜族だということ。
龍王より格の高い竜族は世界に一つしかなかった。
龍族皇帝。
世のすべての竜族が奉るように定められた存在。
すべての竜族の精神と身体を統率する絶対者。
すべての竜族の遺伝子に刻まれた一つの絶対的な予言だった。
そしてユリウスは今その予言がなされたことに気づいた。
今、交易なんか重要なものではなかった。 何とかしてアイルを説得し、この存在をドラゴンズ·ネストに導かなければならない。。
「あの子は…?」
「あ、昨日草原の野原で見つけたミアです。」
「······結構賢そうな子ですね。」
「そうですね。 優しくて聡明な子です。 残念ながら親の居場所が分からず昨日一日保護してあげたのですが…」
アイルはユリウスを見た。
アイルが知っているユリウスという商人はかなり慈悲深い者で、アグドの良い親になってくれるだろうという気がした。
その上、アグドが人外の種族であることが確実な今、その危険を抱かせる存在としてハーフドラゴンならば強力な抑制力になってくれると思った。
「······もしかして商団の新しい使いとして、この子を引き取ってくれる気はありませんか。」
使用という単語が不便ではあったが、ユリウスは断る理由がなかった。いや、断ってはいけなかった。
「ちょうど人手が必要でした。 いいです。こちらがその子を引き取ります。」
「ありがとうございます!」
アイルは心配を軽くした表情でぺこりとあいさつした。
-「この人たちもこの方が人間じゃないということを悟っていたんだね。部族に感情案を持つ者がいると言ったっけ?」-
「あ、今日の交易は…」
アイルはやっとこの街にやってきた本当の理由を思い出した。 アグドを連れてきた理由は、ちょうど都市に来ることがあるから連れてきたので、今日適当な交易品を持って行けなければ
相当困難になるはずだった。 特に今月はとりわけ暑くて使うことの多かった塩が底をついていた。
ところで、、、
「今日の貿易は終わりです。 これらのものをすべて持って行ってください!」
絨毯や革などより貴重なものを手に入れたユリウスに、今取引をする時間はなかった。
「え?」
「おまえら、これらのものを全部この人たちの荷車に乗せろ! では、さようなら!」
部下たちにすべてを押し付けたユリウスは、アグド、いや龍族皇帝を急いで殿が馬車に乗せた。
「本当に人手が足りなかったのか…」
アイルは別事だと思って振り向いた。
アグドに別れの挨拶もまともにできなかったことを残念がったまま。
アグドとユリウスの上部は、非公船という物に乗り込んだ。
空を浮く船。 この船は木造でできており、前世のクルーズ船ほどの巨大な図体を誇っていた。
非公船が魔力エンジンを稼動して空に昇るやいなや···
ユリウスとその一行がおんぶした。
「え?」
「お許しください、陛下。」
「え?ちょっと、ちょっと待って。『陛下』って?」
「はい、陛下、もうすぐ私より上の方がご説明しますが、私たちはハーフドラゴン、龍の召使いたちです。 今までドラゴンズネストで火山龍王殿下に仕えてきました。これから龍族皇帝陛下を最優先にお迎えしますので、旅行中に必要なものがありましたら、ぜひ小臣を持ってください。」
急激な状況変化を受け入れることができず、アグドの脳が麻痺している間、ユリウス一行はただ幸せそうだった。
数時間後、陸に着いた。 しかし、その陸地は非公船よりも変なものだった。
なんと空に浮かぶ土地だった。 何の支えもなく、まるで雲のように浮かんでいた。
自分が知っているどんな物理法則でも説明できなくて怖かった。
建物が浮いているのは難しくて不必要なことだけで、非常に不可能なことではないと思った。
でも、地面が空に浮かんでいるのは······
無神論を信じる彼さえも創造主がいたずらをしたとしか考えられなかった。
噛み締めるほど怖くなるその地に上陸する瞬間···
空が闇に覆われた。
肩がしっかりつかまる感じがした。
鳥類のようで爬虫類のようでもある巨大な赤い足が自分をつかんでいた。
そして······
空に浮かぶかと思ったら、一度も経験したことのない速度で飛行していた。
「何だよ!放して!」
「お許しください。 罰は後で甘んじて受けます!」
空から声が聞こえた。 美しい女性の声だったけど···
声の主を顧みる暇もなかった。
気絶しない自分の身体を恨んでいた。
数秒で風景が変わった。
気がつけば椅子に座っていた。
そして目の前に美しい女性が二人、お下がりをしながら自分を恐ろしいほどきらめきながら眺めていた。
「ご来臨ありがとうございます、陛下!」
「······説明してくれ。」
二人の女性はお互いに向かい合い、
すぐにまたアグドを眺めながら
「見たところ、自分の正体を自覚していないのですね。」
と話を切り出して説明を始めた。
「······だから、小臣たちが龍族皇帝陛下をお連れしたのです」
自分が人間ではないことは自覚していた。
ところで、ドラゴン? それも龍族皇帝? そんな格の高い存在だとは思わなかった。
自分はこのゆったりとした椅子、玉座に座っていて、下から多くの人が姿勢を低くして自分を見つめていた。
気分は…悪くなかった。
前世で一瞬でも自分をこのように対する人がいただろうか。
前世の自分は権力に近い人ではなかった。
博士号を取って教授職まで受けたが、教授という地位を通じて権力を誇示する人ではなかった。
ただ研究にだけ没頭する人だった。
しかし、初めて座った玉座は、あまりにも快適でふわふわしていた。 どんな素材で作ったのか、強い中毒性があった。 ここまで楽な椅子に一度座れば、永遠に座りたくなるものだった。
深紅色の髪をそよぐ立派な体つきをした女性であり、ペラグライディング体験をさせてくれた火山龍王のアマテリンヌが、自分が住んでいた部屋を臨時の玉座の部屋に改造してくれた。
「陛下のための宮殿を建てるつもりです。 ご不便をおかけしますが、完工までここでお住まいください。 狭小な所というのは申し訳ございません。」
これが狭い?
大きさの感覚がおかしいと思った。
今までこんなに大きい部屋は見たことがなかった。
いや、たぶん地球にはないだろう。
たとえ前世で金持ちではなかったから金持ちの世界をよく知らないとはいえ、
こんなに大きな建物があったなら、うわさになって知らなかったはずがない。
なぜならこの部屋は···結構な都市一つのサイズだから。
さっき頭の上を覆ったあのメスのトカゲは、これくらいのサイズじゃないと過ごせないらしい。
そして、大きさだけでなく、中に入っているものも叱りたくなるほど贅沢だった。
部屋の広さに見合った巨大な部屋のドアが開いた。
そして······鶏と目が合った。
多数の鶏がカートに乗って入ってきた。 赤い羽をしているとはいえ、体型が自分が知っている間違いなく鶏だった。 ここの神官長というエイヘリアが直接車を押していた。
「食事を持ってきましたが…」
彼女はアグドの戸惑いを感じたのか,しばらくためらった後,尋ねた。
「陛下はこれを料理して召し上がることをお望みですか?」
「当たり前じゃない?」
すると彼女の表情が歓喜に変わった。
「失礼いたしました。 小女が火山龍王殿下に長く仕えたせいで、このような習慣ができてしまいました。 またお持ちします。」
説明がなかったら、嘲弄と思うところだった。
無事に夕食を終えたアグド、いやアマテリーヌからアウグストゥスという名前をもらった。 アグドという名前が皇帝の名前として似合わないというのが理由だった。 自分はよく分からないけど。
「…中世時代の街じゃない?」
まさに野外伝統文化体験場を歩いているようだった。
ふと、昼に見た都市の風景が重なった。
アウグストゥスは考えた。 皇帝は帝国の主。 自分が皇帝なら、ここは帝国でなければならない。
しかしここは帝国というにはあまりにもみすぼらしい。 いや、現代人の視線で見ると、ここは国家でもなかった。 ただの村落だった。
村落の平和を嫌うわけではなかった。 前世でも研究室に閉じこもって過ごし、とても疲れた時、ここにもう少し早く来るところだった時、村落の田畑で風の音と家畜の鳴き声を聞きながら歩いたりした。
しかし、今自分はここに治癒をしに来たのではなく、支配者として来たのだ。
自分のような下っ端な存在が皇帝と呼ばれることだけでも、すでに十分に生意気な振る舞いであることを知っている。
しかし、馬に乗れば、鐘を従わせたいもの。
どうせ皇帝と言われたついでに、帝国が欲しかった。
昼に見たそのような規模の都市を空の星ほど多く従えた、そのような大帝国が欲しかった。
火山龍王という奴はこの村落の上に君臨することで満足したかもしれないが、龍族皇帝は違う。
「龍族皇帝」という言葉が、地域ではなく種族の統率者を指すことは知っている。
しかし、ここは厳然たる自分の領地だ。
実際、彼が歩くと、皆がうつぶせになった
自分は龍族の皇帝であるだけでなく、この地域の君主である。
神官長エイヘリアを呼び出した。
「君がここの政治を総括したと聞いた。 合ってるかな?」
君主らしいく見える話し方を頭の中で選んだ。
「そうでございます、陛下。 本来、陛下がいらっしゃる前、ここは火山龍王殿下の領地でしたが、龍王殿下が寛大にも小女にすべての権力を一任してくださいました。」
おそらく立憲君主制と似たような形だったのだろう。
「それなら君に多少直説的に下問するが、なぜここはこんなにも未開なのか?」
「それはどういうこと…」
「余はここに来る前、デラメールという都市を通ってきた。 そこの風景とここを比較してみると、果たして同じ世界にいるのかという気がするのだ。」
一度も使ったことのない一人称。余。正直、照れくさかった。 しかし、自分はこれから自分の臣民に帝国らしくなることを要求するだろう。 それなら、自分自身も皇帝らしくなる必要があった。 外見が全てではないが、重要でないわけでもなかった。 これはそれなりに帝国のためにすることだった。
「なぜ文明の水準がこんなに違うのか。」
「申し訳ございません。 その点は実は前から小女を押さえつけることでした。
ここがこんなに立ち遅れた理由は···皮肉なことに、火山龍王殿下の威光がまぶしく、誰もこの地に侵攻しなかったからです。 加えて、龍仁でさえ人間のレベルでは一人を捕まえるために軍隊を動員しなければならないレベルの身体的格差があるからです。」
「拳が強いから刀を作る必要がなかった。そんな話をするのか?」
「まさにそれです。 また、今陛下がいらっしゃるここ、ヘパイストスルームを建設するために多くの財貨をかけたため、文明を発展させる余力がありませんでした。
私たちの存在理由である龍王殿下に仕え、喜ばせる使命を果たすために、すべての竜人が喜んで自分の財貨を捧げたのです。」
「これからは変わるだ。」
エイヘリアは頭を上げて正面を見上げた
下等な発想だった。
容認できなかった。
ここに来るようになったことで博士としてのキャリアは絶たれた。
しかし、たとえどこにいようと、自分は工学者た。
体と精神を壊しながら夜を明かしたのは、自害する趣味があるからではなかった。
人類の大先輩たちが成し遂げた発展を続けようとするもがきだった。
もはや自分は人間ではないが、研究室に閉じこもっていたその人間の魂をそのまま保管している。
そんな彼に「身体の力が優れて文明の発展を停滞させる」という発想は下等さを越えて自身の努力と大先輩たちの業績を凌滅するとしか見えなかった。
加えて、帝国を持とうとすれば、なおさら容認できない発想だった。
「余は皇帝だ。 皇帝は村落ではなく、帝国を持たなければならないのだ。 君たちが余に与えた皇帝の地位が見せかけだけでなければ、余はここの統治者としてこれから文明を発展させることに全力を尽くすだろう。」
「この世にいらっしゃった瞬間から小臣は陛下の召使い。 陛下のお導きに従います。」
エイヘリアは深く頭を下げながら言った。
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