第2話







音楽とは、本能である。



音楽における成長には、三つの段階がある。


一つは、下手な段階。

シンプルに上手く弾けないような段階だ。



二つ目は、機械の段階。

楽譜通りに弾ける段階だ。



三つ目は、叩く段階。

自分の思うことを鍵盤に、弦に、音に叩き込む。

そんな、段階だ。


大体の人間は、二つ目で満足してしまう。


ところが、実は四つ目もある。

それは、極上の楽器だ。

世界に一つだけの究極の楽器。それは、たとえどんなものでも敵わない、最強の音楽となる。


私は、ヴァイオリン奏者だ。

だからこそ、私は今興奮している。

世界に一つの最高のヴァイオリンである、【マジシャン】が手元にあるのだから。

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