羽が生えた

病院出て家に帰った。1人のきりの家は今までにないくらい孤独を感じた。

何故か分からないけど、母の寝室に入った。母のスーツや仕事の資料が目に映る。あぁ、

「苦労かけてたんだな、、」

思わずそんな言葉が口に出た。母の机の上にある手紙が置いてあった。


【しんやへ、いつも1人にさせることが多くてごめんね。頑張るしんやを見るのがほんとに私の夢でした。剣道やっている時も、大会の優勝の報告がどれだけ私に元気をくれるか、しんやは私のヒーローです。そんな、私のヒーローにプレゼントがあります

新しい道具です!しんやは剣道本当はやめたくないのを知っています。隠れて剣道の動画や本を見ているのを私は知っています。しんやが良ければお引越しして新しい中学校でまた剣道を始めよう!そして、私にあなたの勝つ姿を見せてください。いつも応援してます母より(ちゃんと標準語です書いて見たよ】

気づけば涙で手紙がびしょびしょになっていた。俺は涙で濡れた手紙をしっかり握って急いで車の中を見に行った。中には俺が随分と前に欲しいと言っていた道具がピッカピカに磨かれて置かれていた。この世のどんな宝石より輝いていた。

もう、周りなんてどうでもよかった。ただ俺はあの人のためだけに剣を振ると誓ったのだ。

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