第2の魔法
「まだだ……まだ終わらんよ……」
田山田は言った。コテンパンにやられたくせに思ったよりしつこい。
「その状態で何ができる」
にゅうめんマンは言った。
「見ていれば分かるさ……」
それから田山田は
「エーシー エーシー ドエーシー タノシキ ナカマガ ポポポポポン!」
すると、地面にたくさんの光の筋が浮き上がり、複雑な魔方陣が出現した。
《何だ。何か本格的な魔法だぞ!》
と思って、にゅうめんが様子を見ていると、魔方陣が放つまばゆい光の中、怪しげなシルエットが、地面の下からせり上がるようにして現れた。――田山田の第2の魔法は
魔方陣により呼び出された黒いシルエットは、悪魔のような雄たけびを上げた。
《一体何者だ》
魔方陣の放つ光がまぶしすぎて召喚された者の姿がよく見えない。
《よく分からんが、何かすごい奴が現れたのか……?》
にゅうめんマンは田山田と一緒にまぶしい光が収まるのを待った。数十秒ほど待つと魔方陣の光は弱まり、ついに被召喚者の姿が明らかになった。
そこに立っていたのは何と!……副市長の田山だった。にゅうめんマンがさっき市役所で出会った、インテリ風の副市長だ。
「おう、田山田。召喚魔法を使うなんて珍しいじゃないか。どうしたんだよ」
魔法によって呼び出された田山は、ふんどし一丁で座り込んでいる田山田にたずねた。
「手ごわい敵に出会って手こずってしまってな。応援を呼んだんだ」
「なるほど」
そこで田山は、にゅうめんマンの存在に気付いた。
「手ごわい敵というのは、そこにいる、にゅうめんマンのことか」
「何だ。こいつを知っているのか」
「さっき市役所にやって来て、山田副市長を打ち倒した男だ」
「山田もやられたのか……まあ、山田の手には余るだろう。奴は副市長の中でも最弱だからな」
「ああ。山田はあっさりやられて、ついでに何者かにヌンチャクを盗まれた。その後、来庁者のじいさんが山田のヌンチャクを持っているのを見つけたので、たっぷりお仕置きしておいた」
「山田のヌンチャクを盗むとは命知らずのじじいがいたもんだ」
「まったくだ」
「ところで、俺は
「田田山は重度の二日酔いで廊下をのたうっていたから、やむなく私が代わりに来た」
「そうだったのか。すまんな」
「かまわんさ」
「それにしても田田山の奴、勤務中だというのにしょうがない奴だ」
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