お悩みを解決する秘密道具はいかがですか？　扱い方はあなた次第です

むらたぺー運送（獅堂平）

　ふるめかしい骨董屋のような店で、少女は佇んでいた。

　店内には様々な品が陳列されており、古めかしい壺や最新鋭と思われる機器もある。一瞥しただけでは、何の商売をしているかわからない。

「ごきげんよう」

　彼女の名前は羽織纏（はおりまとい）。この店『お悩み相談所』のカウンセラー兼オーナーだ。黒髪ロングの小柄な美少女で、中学生のように見えるが、実年齢は不詳である。

「このページは何かしら？」

　纏が聞いた。

「登場人物紹介用のページです」

　細川太（ほそかわふとし）が答えた。彼は纏のビジネスパートナーで、小太りで眼鏡をかけた若い男だ。高校生に見えなくもない。

「私たち、二人だけじゃない」

「ええ。この小説は、一話～三話の完結型ですから」

　太は気忙しそうに眼鏡をかけ直す。

「話の内容によって、主な人物は変わりますので、ここでは紹介しきれません」

「ふーん。私の自伝でもよくてよ？」

　纏は小さい胸を張った。

「それをすると、長くなりますので……」

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