10月

真夜中の風景

山間やまあいの家々は寝静まり

白い灯りがポツポツと

暗がりに点っている


大雨の後の霧雲が

神話の生き物のように

山をゆっくりと横断して

中腹の灯りを滲ませている


ひとつひとつの命が

息づいているとはいえ

地上に散りばめられた

綺羅やかな星々は

もはや幻想だ


無辺の宇宙を背景に

真夜中の幻を鑑賞する

ひととき


いとおしい町が

静かに眠っている


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093086101225434

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る