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「どうかしら?リズ様のご婚約者であるアルノルト殿下と王家の象徴、青バラの模様に金色の金具を使用したペン」
「とても素敵だと思います!」
「ええ。どうせならインクの色を碧色にしてみては?」
「いいわね!そうしましょう」
「はい。それとある方にご相談してもよろしいでしょうか?」
相談?なにかしら。
「いいわよ」
「ありがとうございます」
こうして私の推しグッズは決まっていったのでした。
その日の夜…
「リリア」
「はい、何でしょう?」
そういえば初めて旦那様に名前を呼ばれた気がするわ。忘れているだけかもだけれど。
「数日後に、マレー公爵家でエリザベス嬢の兄であるジュリアス殿の生誕パーティーに招待されている。結構な規模になるそうだ」
リズ様のお兄様、ジュリアス様といえばマレー家次期当主で若くして騎士団の諜報部の団長になった方でしたね。
私の一つ下の弟であるシモンは諜報部の副団長なので、私も面識のあるお方ですわ。
「はい」
「急な招待だったが、マレー家は我が家も懇意にしているため、パーティーの衣装は向こうで準備されている。衣装のことは気にしなくていい」
「そうなのですね。一つお聞きしても宜しいですか?」
「なんだ?」
「挨拶が終わり、ファーストダンスも終わりましたら別行動で構いませんか?」
久しぶりにジュリアス様とお話ししたいですし、マリデール家も来ていると思いますからね。リズ様ともお話ししたいわ!
「ああ、構わない。だが、帰る時は迎えに行くからあまり離れるなよ」
「はい、ありがとうございます」
マリデール家は宰相のお父様、美人で才媛と有名なお母様、リズ様大好きな私、騎士団諜報部の副団長の弟·シモンの四人です。
良いところを挙げましたが、みんな何かしらおかしい所はありますよ?だって私の家族ですし。
それはさておき……お誕生日プレゼントは何にしましょう?ジュリアス様はリズ様が大好きなのでリズ様に関係するもの?
「旦那様。旦那様はプレゼントは何になさいましたの?」
「イニシャル入りの万年筆だ。書類仕事に使えるだろう?」
「そうですね。ですがジュリアス様は、書類仕事が大嫌いだそうですからねぇ。頑張ってくださいと応援しておきましょう」
苦笑しながら言います。シモンがから聞きましたわ。騎士団とはいえ諜報部ですからねぇ。やっぱり書類仕事は多いですよね。
情報収集の方が好きだし得意だそうですわ。
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